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*ランキング・カタログ このぺージでは、毎日数多く投稿されるアイマスMADを独自に纏めたランキングやピックアップカタログを紹介する。 関連情報タグ:im@sランク 良作発掘動画 (いずれも新着順ソート) このページでは紹介動画を取り扱っています。自らの作品を中心としたランキング(通称:俺ランキング)に関しては、俺ランキングシリーズへどうぞ。 作品にまつわるデータが気になった人は、考察用データも参考にどうぞ。 新着情報 最新分のみ掲載しています ※ 日刊初動ランキングは頻度が高いので省略 2013/04/02 - 週刊アイドルマスターランキング 13年3月第4週 2013/01/26 - 2012年下半期ニコマス20選まとめ動画 2012/04/07 - 週刊アイドルマスターランキング 12年4月第1週増刊号 2012/01/11 - iM@S架空戦記ランキング11年12月号 2010/09/18 - Ranking For You! 9/11-9/18(この回をもって休止) 2010/06/29 - 新刊NovelsM@sterランキング10年6月第5週 2010/01/05 - 月刊あずさSP1号 2009/12/26 - 2009年のアイマス動画「○○」と言えばこの動画! 2009/09/29 - 月刊音マスカタログ 2009年8月号 2009/08/13 - ニコマス・アンダーグラウンドカタログ Vol.10 2009/07/24 - 2009年上半期初動マイリスト登録率ランキング 2009/01/03 - 今週の春香 2008年12月第5週(この回をもって休止) 2008/12/10 - ニコマスコメントランキング2008【アイドルマスター】 2008/12/01 - アイドルマスター 俺ティン! 第十七回 2008/11/29 - 隔週IM@S動画カタログ~Ver.ひびき~Vol.13(最終回) ランキング・カタログ一覧 大まかに分類して、「ランキング型」と「カタログ型」の2つに分けられる。 ランキング型 … 人気作品のチェックや、最新の流行チェックに便利。 カタログ型 … 隠れた良作探しや、流行に囚われないこだわりの一品を見つけるのに便利。 それぞれのランキング・カタログの違いを比較して、自分の需要に合ったものを見つけてみると良いだろう。 ランキング型 マイリスト登録数や再生数・コメント数等を元に、作品毎に順位を定め掲載作品を選出。 タイトルクリックで、紹介欄へジャンプします。 名称 集計期間 概要 編集者 週刊アイドルマスターランキング 週刊 ニコマス全般を扱う定番ランキング 週マス編集部 日刊アイマス初動ランキング 日刊 全自動で作成している日刊ランキング※収録期間:2008年7月3日分~現在継続中 (P名不詳) 今北産ランキング 日刊休止 最新90件ランキングを元にランキング※収録期間:2008年1月14日分~2008年3月23日分まで ZrP 今週の春香 週刊休止 春香中心動画を専門としたランキング sabishiroP 初動マイリスト登録率ランキング 半年毎 初動期間中のマイリスト登録率のみでランキング 秋月率子P ニコマス20選まとめ動画 半期毎 半期20選投票のまとめ 卓球PぐらすP iM@S架空戦記ランキング 月刊終了 架空戦記作品によるランキング 手抜きP 新刊NovelsM@sterランキング 週刊 NovelsM@sterの新着動画ランキング たくみ氏 年間メカ千早ランキング 2007年間 メカ千早で構成されたランキング 弥八亀P カタログ型 順位は定めずに、編集者の意向により個々の動画をピックアップ。 タイトルクリックで、紹介欄へジャンプします。 名称 集計期間 概要 編集者 IM@S動画カタログ 隔週終了 再生数3000以下の動画を紹介 おいすーPZrPひびきP 月刊 音マスカタログ 月刊 1ヶ月の音ゲーMAD@アイマス動画をまとめて紹介 ナムコナミP 月刊あずさ 月刊 あずささん絡みの埋もれ作品(3000PV未満位)をご紹介 ささあきP 俺ティン! 不定期 億Pチョイスの動画を紹介 億P 小鳥のアイマスニュース 不定期 ニュースの傍ら、気になった作品をチョイス ニセP ニコマスchガイド 不定期 ジャンル別に動画を紹介 あまんじゃ氏 ニコマス・アンダーグラウンドカタログ 不定期 ストイックな奇個性を紹介 ClubJamora氏(代表) 各動画紹介欄 ランキング型 週刊アイドルマスターランキング 最新版 増刊最新版 ニコマス全般を扱う定番ランキング。季刊で行われる週マススペシャルもどうぞ。 SUPER IDOL RANKING 2012 ※増刊号は不定期配信になりました。 +編集者:週マス編集チーム(P個別ページがある制作者のみ) 亜紀奈P くらわんP 中目黒P ピヨ談P むーくP 桃月P オンナスキーP MirageP 関連リンク 基本タグタグ-週刊アイドルマスターランキング (新着順ソート) タグ-週マススペシャル (新着順ソート) ニコニコ大百科-週刊アイドルマスターランキング ニコニコ大百科-週マススペシャル 派生タグ/意見箱/データサイトなどニコニコ大百科-週マス編集部 「週刊アイドルマスターランキング」掲示板 週マスランキング一覧 ニコニコ動画 週刊アイドルマスターランキング データ集wiki 日刊アイマス初動ランキング 全自動で作成している日刊ランキング。 収録期間:2008年7月3日分~現在継続中 編集者:(P名不詳) 関連リンク タグ-日刊アイドルマスターランキング (新着順ソート) 動画閲覧はこちらからどうぞ。 日刊アイマス初動ランキングのマイリスト 編集者による外部マイリスト。ランキング掲載作品のチェックにどうぞ。 ニコニコ大百科-日刊アイドルマスターランキング カレンダー形式でリンクがまとめられています。特定の日のチェックに大変便利。 今北産ランキング 最新90件ランキングを元にした日刊ランキング。 収録期間:2008年1月14日分~2008年3月23日分まで(現在休刊) 編集者:ZrP タグ-今北産ランキング (新着順ソート) 動画閲覧はこちらからどうぞ。 今週の春香 最新版(最終回) 春香中心動画を専門としたランキング。2008年12月をもって終了 編集者:sabishiroP タグ-今週の春香 (新着順ソート) ニコニコ大百科-今週の春香 ランキングの解説 アイドルマスターに関連した何か (by さびしろ) 編集者によるランキング説明サイト 初動マイリスト登録率ランキング 2009年上半期 2008年下半期 2008年上半期 2007年下半期 季刊初動ランキング ポイント算出方法:[初動期間中の登録数]÷[初動期間中の再生数]初動期間の定義:投稿から最初の午前5時まで。但し、そこから24時間の再生数がそれまでより多い場合、2回目の午前5時までを初動期間とする。 リサイクルに定評のあるランキングでもある。エコロジーって大事です。 編集者:秋月率子P ニコマス20選まとめ動画 2012年下半期 2012年上半期 2011年下半期 2011年上半期 2010年下半期 2010年上半期 2009年下半期 2009年上半期 2008年下半期 2008年上半期 ブログ、マイリストを中心に集計されたランキング 企画・編集者:卓球P 2012年上半期(Side-B) 2008年上半期(eclipse) 本編の補完的動画。本編のネタバレを含むので、未見の人は上の本編からお先にどうぞ。 編集者:ぐらすP タグ-ニコマス20選リンク (新着順ソート) iM@S架空戦記ランキング 最新版(最終回) 2011年総集編 架空戦記作品によるランキング ポイント算出方法:再生数+コメントをベースとしている。(回により異なる) 編集者:手抜きP マイリスト-iM@S架空戦記ランキング ランキング閲覧にどうぞ。 新刊NovelsM@sterランキング 最新版 NovelsM@sterの新着動画ランキング ポイント算出方法:再生数+(コメント*補正値)+マイリスト数*20 補正値はニコラン式 編集者:たくみ氏 タグ-新刊NovelsM@sterランキング (新着順ソート) 年間メカ千早ランキング メカ千早で構成されたランキング ポイント算出方法:[再生数]/20+[マイリスト登録数] 編集者:弥八亀P カタログ型 IM@S動画カタログ 最新版(最終回) 再生数3000以下の動画を紹介する動画。 タグ-IM@S動画カタログ (新着順ソート) ニコニコ大百科-Im@S動画カタログ 編集者:おいすーP、ZrP、ひびきP 月刊 音マスカタログ 最新版 1ヶ月に投稿された音ゲーMAD@アイマスの作品を総ざらえ。ピックアップもあり(ない月もあり)。 タグ-月刊音マスカタログ (新着順ソート) ニコニコ大百科-月刊音マスカタログ 編集者:ナムコナミP 月刊あずさ 最新版 あずささん絡みの埋もれ作品(再生数3000未満くらい)をご紹介 タグ-月刊あずさ (新着順ソート) 編集者:ささあきP 月刊あずさ偏集室 編偏集室です。 月刊あずさ ご意見・ご指摘スレ 意見・指摘はコチラへ。 俺ティン! 最新版億Pチョイスの動画を紹介する動画 タグ-俺ティン (新着順ソート) 編集者:億P 俺がティンときた動画を紹介する動画のアレコレ お勧め動画の紹介はコチラへ。 小鳥のアイマスニュース 最新版アイマス&ニコマスのニュースが(多少)てんこもりなカタログ。 タグ-アイマスニュース (新着順ソート) 編集者:ニセP ニコマスchガイド 最新版ニコニコ動画にある”アイドルマスター”タグ付き動画に付けられたコメントを集計・加工・自動分類して製作されたカタログ。取り上げるテーマは様々。 タグ-ニコマスchガイド (新着順ソート) 編集者:あまんじゃ氏 ニコマス・アンダーグラウンドカタログ 最新版 号外 変だけど、大勢に勧めるには個性ありすぎるけど、何か気になるものがあるよ! というような動画を紹介するカタログ(あまり「アングラ」という言葉の定義には拘っていない)。 タグ-ニコマス・アンダーグラウンドカタログ (新着順ソート) 編集者:ClubJamora氏(代表)、チヒロP, マタギP ニコニコミュニティ-ニコマス・アンダーグラウンドカタログが欲しい人のためのコミュ ランキング・カタログ全般関連リンク タグ-im@sランク タグ-良作発掘動画 大百科-im@sランク ニコニコミュニティ-アイマス動画 集計・統計・分析 まとめWiki(タグ検索)-紹介動画制作P 合計 - 人 本日 - 人 昨日 - 人 タグ一覧:wiki 動画情報
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アフターバーナー 概要 開発経緯 ストーリー ルール 操作方法 特徴・評価点 『I』独自の特徴 賛否両論点 問題点 総評(I) アフターバーナーII 概要(II) 『I』からの変更点(II) 評価点(II) 問題点(II) 総評(II) 移植 関連作品 海外でのみ販売された移植作、続編 余談(II)(稼働状況について) アフターバーナー 【あふたーばーなー】 ジャンル 3Dシューティング 対応機種 アーケード 発売・開発元 セガ・エンタープライゼス 稼働開始日 1987年7月 判定 良作 ポイント 諸事情により未完成でのデビューアフターバーナー非搭載なアフターバーナー アフターバーナーシリーズI / II / III /クライマックス 概要 ジェット戦闘機のドッグファイトを題材にした擬似3Dシューティングゲームの未完成版。 鈴木裕陣頭指揮のもとで開発されたセガ体感ゲーム第6弾だが、初代『アフターバーナー(I)』はβ版の位置付けとなっている。 開発経緯 『スペースハリアー』開発時、戦闘機を題材にした体感ゲームの構想が鈴木氏の中にあった。 当初は第二次大戦をテーマに企画を練っていたが、ちょうどその頃、映画『トップガン』が世界的なヒットを記録し日本でもブームが巻き起こっていた。 この成功に便乗しない策はないと言わんばかりに方針は「近代戦闘機によるドッグファイトもの」に定まった。 開発は順調だったようだが、会社側から「出荷を決算に合わせろ」という絶対命令が出されてしまい、止む無く細部が未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件つきで全国への出荷が決まった。 リリースから3ヶ月後の10月、修正版『アフターバーナーII』が無事に完成。稼働中の『I』は片っ端から『II』にコンバージョンされ全国から姿を消した。 ストーリー 西暦199X年…、世界はA国とZ国の2大勢力の下、既に慢性化した冷戦状態に置かれていた。張りつめた糸を思わせる絶対的な緊張の中、A国海軍に所属する1人のパイロットに、ある極秘指令が下された。指令の内容は「Z国の領空を強行突破し、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けよ。」今、空母から1機の戦闘機が飛び立とうとしている。A国の、いや、世界の運命を賭けた孤独な任務が始まる…。 ルール 艦上戦闘機F-14XXを操作して、敵機を撃墜しつつステージを進行していく。一撃死の残機制。 一定距離まで飛行するとステージクリア。アラームと同時に背景が変わり、淀みなく次のステージへと移行する。ボス敵のようなものはない。 操作方法 戦闘機の操縦桿を模したアナログスティック+1ボタン1トリガー制。 スティックを握ると人差し指部分にガントリガー、親指部分にミサイルボタンがある。 機銃は自機前方のロックオンサイトに向かってまっすぐ発射される。 弾数無制限でガントリガーを引いてる間は無尽蔵に掃射される。 ロックオンサイト内に敵機を捉えると「Fire!」の音声とともに約1秒間、敵機をコンテナが囲いロックオンをする。 その1秒内にミサイルボタンを押す事でミサイル発射、導かれるように敵機に向けて飛んでいく。 ミサイルは弾数制限があり、ゲーム中に各所で挿入される給油シーンで一定数補給される。最大50発までストック可能。 アナログレバーを左右いずれかに入れ、素早く逆方向に切り返すと360°ローリングをする。無敵時間はない。 主な用途は前方から迫るミサイルの回避。 また後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機や追尾ミサイルを回避する際にも有効で、振り切るような形で画面外へ追いやる事ができる。 特徴・評価点 画期的な2種類の視覚効果で『スペースハリアー』からビジュアル面での進歩を実感することができる。 ミサイルが白煙を引いて軌跡を残す。華麗な白煙を引きながら画面内を飛び交う大量のミサイルは圧巻。 機体を左右へ動かすだけで背景が大きく傾き、ローリングをすると派手に1回転する。 自機の動きに連動する大型筐体。 据置筐体の他に、前後左右に揺れる「ダブルクレイドル」と左右に揺れる「シングルクレイドル」という2タイプの専用大型筐体を採用。これに加えてスペースに余裕が無いロケーション用に、無可動の筐体も用意された。 ローリング操作の際にはシートも大きく傾き、本作の一つの見せ場となっている。 『スペースハリアー』同様、抜群のスピード感、軽快なBGM、美しいグラフィックはプレイヤーの心を捉えて離さない。 ステージごとに激しくシーンが切り替わり、プレイヤーを世界観へ引き込んでくれる。 『I』独自の特徴 タイトル画面。3機のF-14がデルタ飛行で雲海の彼方へと消えてゆく、やがて敵機であるハリアー3機が「AFTER BURNER」の文字を引っさげて戻ってくる、という内容。 デモ画面。直前のプレイでのステージ1のプレイヤーの動きが再現される。 一部のBGMの曲調が異なる。またステージ中のBGM切り替えのタイミングや使用されるシーンが『II』と大きく異なる。 「エンディング」と「ネームエントリー」は固有のBGMが存在せず、ステージ用BGMが流用されている。 全19ステージ。ラストステージは自動操縦による着艦シーンのみの為、実質18ステージとなる。 ステージ3、7、10、13、15、17開始時に空中給油機によるミサイル補充を受けられる。 ステージ6と12にボーナスステージがある。ボーナスと言えどもミスすると残機を失ってしまう。鉄塔は破壊不可。 速度調節ができず、『II』でいうところのマッハ2弱あたりの速度で固定されている。 その為、ボーナスステージは素人ほど残機を複数奪われる”死のステージ”と化し、ただでさえ速い中盤以降の敵ミサイルが刹那に飛んでくる。 ミサイルが胴体下より深々と沈みながら点火し、徐々に推進して目標に向かうという実物のF-14に近い工程を経て飛んでいく為、いくら先制攻撃しても後手に回される。 飛び方と形状が映画のそれではなくF-14搭載の「AIM-54」に近い。おそらく実際の発射映像を元に作られたと思われる。 その緩慢さと自機の速度問題もあり、殆どの敵機から反撃を受け、敵ヘリコプター相手にしか先手が取れない。 賛否両論点 メロディの無いBGM 本作のBGMは作曲段階で存在したシンセサイザーの音色が一部カットされている。これは不具合などではなく意図的なものであり、一つの楽曲としてよりもBGMとしての機能が考えられたものである。 特にこの影響が大きいのが本作のメインテーマと言える4面到達時に流れ始めるBGM「After Burner」で、哀愁のあるメロディが奏でられるシンセパートがあるとないのとではまるで印象が異なり、一曲としての完成度が高いメロディ入りのBGMも非常に人気が高い。 サウンドトラックに収録されたのはメロディ有り版のみ(*1)であり、「こっちをゲームにも流してほしかった」という意見も当時からあったようで、それに応えるように家庭用版ではメロディ有り版に切り替える機能があったり、またはPCエンジン版のように切り替え機能が無いにもかかわらずメロディ有り版が流れるという移植版も存在する。 問題点 当時の可動機構付き大型筐体を使っているが故に仕方がないが、プレイ料金が割高。 画面エフェクトが全体的に派手になった代償として、画面の視認性が少々悪い所がある。 慣れない内は何が起こっているのか理解しきれないうちにやられてしまうことが起こりがち。 ローリングの使いどころが難しい。 ローリング中は移動操作を受け付けず、途中でキャンセルできないのが理由。そのため、無闇に回りまくると逆にピンチを招いてしまう。後半ステージは不用意なローリングをするとほぼ死が確定する。 左右いずれかへ移動中に逆方向へ素早くレバーを倒すというコマンドの関係上、不慣れなプレイヤーがミサイルを咄嗟に避けようとして暴発させてしまうケースが多い。 地平線の描写が不完全で空母が宙に浮いていたり、着艦シーンで自機が空母に埋まるなど「未完成」と感じられる箇所が随所に見られる。 総評(I) 「開発経緯」にあるように上層部の指示で強引に出荷された未完成版。既にダイナミックに流れる背景、白煙を引くミサイルの表現などは完成していたが、ゲーム性に関わる部分は調整が行き届いていないことがわかるレベルの出来であった。 アフターバーナーII 【あふたーばーなーつー】 ジャンル 3Dシューティング 対応機種 アーケード 発売・開発元 セガ・エンタープライゼス 稼働開始日 1987年10月 判定 良作 アフターバーナーシリーズI / II / III /クライマックス 概要(II) ジェット戦闘機の空中戦を題材としたセガの体感3DSTGの完成版。 初代『アフターバーナー(I)』も含めてセガ体感シリーズ第6弾。セガゲーム史を語る上で欠かす事のできない作品の一つ。 内部事情により未完成のまま出荷した『I』を三ヶ月後に改良、バランス修正してリリースしたのがこの『アフターバーナーII』である。 『I』はβ試作品あるいは最初からなかったものとされ、世間一般でも『アフターバーナー』は基本的に『II』の事を指す。 『I』からの変更点(II) タイトルアトラクトの変更。 球体で描かれた『I』の文字を4機の敵戦闘機がミサイル攻撃、球体はバラバラに飛散するも徐々に元に戻ってゆく…が、そこには『II』の文字が。 これは商業的な事情で未完成品と知りながら出荷せねなければならなかった気持ちを『I』の破壊で表現したものである。 デモ画面も一新し、操縦桿を握った手のアニメーションや「Lock on」の文字など視覚効果が加わる。 スロットルレバーが追加され、速度を自在に調節できる。 爆発的な推力を得る機能「アフターバーナー」も使用可能に。タイトルに違わぬ作品となった。 ステージ構成の順序変更とステージ数の増加。全19ステージから全23ステージに。 ただし『I』同様、ラストステージの23は自動での着艦シーンの為、ステージ22が実質的な最終面となっている。 空中給油機とは別にステージ5と13で基地での補給シーンが追加され、全自動で滑走路への離着陸が行われる。 基地での補給シーンは1ステージとしてカウントされる為、本作は厳密に言うと全20ステージ構成と言える。 隠しメッセージ、裏技の追加、ゲストキャラも応援に駆けつけてくれる。 ボーナスステージは8と17で行われる。速度を下げれば危険度も大幅に激減。『I』以上のスリルを求めるならアフターバーナー全開で挑む事もできる。 敵機の配置とパターンが調整された。それに伴いローリング時の被撃墜率も低下。(使わないほうが安全なのは相変わらず) 他の体感ゲーム同様、飛行中は点数が入るようになった。 ミサイルのストック数が倍増、最大100発に。また発射モーションが改善され、敵機の反撃を許さず即撃墜できるようになった。 BGMが改良され、2~3ステージクリアごとに曲目が変化する。 『I』ではステージBGMの流用だった「エンディング」と「ネームエントリー」の場面で新曲が割り当てられた。 評価点(II) 『I』での好評な点はそのままに、より発展。 スピード変化が可能になったおかで、戦い方も多彩に。 このため難易度が下がり、ゲームとしてはバランスがさらに良くなった。 アフターバーナー連続使用で強引に突き進むとステージがあっという間に終わるなど、速度に比例して難易度、総プレイ時間、興奮度も上下する。 もっともアフターバーナーを頻繁に使うとミスが起こりやすく、使いどころは限られるのだが。 ミサイルの増加によるプレイしやすさ。 『I』ではミサイルが少ないため使い所を選ばなければならなかったが、『II』ではかなり自由に使え爽快感も増した。もちろん使い放題という訳ではないが。 補給シーンも種類を増し、世界観がより豊かに。 BGMの変化も、ゲームを盛り上げる。 問題点(II) ローリングの使いどころの難しさは『I』から改善されていない。 総評(II) 『スペースハリアー』開発の頃に温めていた構想「戦闘機を使った体感STG」を見事に実現させた作品である。 臨場感あふれるゲームシステムに加え、その硬派な世界観は『スペースハリアー』以上に多くのプレイヤーを惹きつけた。 特に、ダブルクレイドルタイプの『アフターバーナーII』は、プレイヤーに「特別な経験」を味わわせてくれる。 アフターバーナーが名作と呼ばれる所以は、ゲームの世界に引き込んでくれる数々の仕様なのだろう。 移植 数多くの機種に移植されているが、『I』の移植は意外に少なくほとんどが『II』の移植になっている。 以下、国内で発売された移植版を列挙する。 + 一覧 セガ・マークIII/マスターシステム版(1987年12月12日、セガ)アフターバーナー。 初の4Mカートリッジでグラフィックはスペハリ式のBG書き換え式だがBGキャラ同士の重ねあわせをソフトウェアで処理しているというハード性能からするととんでもないグラフィック。しかし残念ながら肝心のゲームがゲームになっていない。 ちなみに重ね合わせる毎にキャラクターテーブルを消費するため、テーブルが枯渇すると豆腐が表示されるようになる。 あまりの移植度の低さに雑誌「BEEP」誌上で「アウアーアーアー(*2)」と揶揄されてしまった。 レバーを斜めに入れている「だけ」で初期面は完全無敵という粗い作りが目立った。スコアなども常時表示できず画面が寂しい。 本来ボスが無いゲームではあったが、MK3版はボスとして「グラントノフ」が追加されている。 ミサイルの弾数制限が無くなったので、本来ミサイルを補給する給油シーンがボーナスゲームになっている。そのため給油がオートでなく自分でロックする方式になっており、失敗すると撃墜数で得られるボーナススコアが得られなくなる。 FM音源によるBGMは、良くも悪くもFMサウンドユニットの限界がわかる出来であった。 FM TOWNS版(1989年2月、CSK総合研究所)アフターバーナーII。 ボーナスステージは両側に岩壁があり、かなり正確に操作しないとすぐミスしてしまう。通常のステージよりも難しいと思えるほど。ボーナスステージ開始時からできるだけ右側に寄せていくと岩壁部分を抜けるのが楽になる裏技があるが。 三機失うとゲームオーバーだが、メニュー画面から無制限にコンティニューできる。コンティニュー要素に関しては数ステージ単位でセットになっていて、そのセットの初めのステージからになる。 今作のようなFM TOWNS版に移植されたゲームはCD音源のため、移植によるゲームBGMのアレンジのクオリティの高さに定評がある。しかしアレンジしか収録されずオリジナルのBGMが楽しめない問題があったり、まれにゲームと噛み合わない方向性のアレンジで不評を買うこともあった。 BGM AFTER BURNERはメロディライン入りバージョンのため一聴の価値あり。 同時発色数が多くスプライト欠けのないハードのため、止絵だとすばらしいグラフィックに見えるが実際動いているところを見るとガクガク感がすごい。 特にデシタル式(十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式)で操作した場合画面の傾きのガクガク感がやばいが、有志パッチで操作を疑似アナログ(メガドラ版のように方向キーニュートラルにしても地平線が傾いたままのタイプ)にすることで劇的に改善される。 X68000版(1989年4月26日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 アナログ操作重視のため、デジタル式のコントローラー及びキーボード単体では対応しておらず、基本はマウスとキーボードを併用する形になっている。 シャープが本作のX68000版と同時発売した操縦桿型コントローラー「サイバースティック(*3)」に対応しており、これを使用することでAC版に近いスタイルでプレイできる。また、MD版「アフターバーナーII」と同時発売されたアナログジョイパッドである「XE-1AP」にも対応している。 グラフィック面では地上物が簡略・省略されているところやミサイルの白煙がメッシュ状になっていたりと劣化要素と見られかねない部分もあるが、プログラムを担当した松島徹氏(*4)は「スピード感を落とさないよう処理速度を稼ぐために、グラフィックに関してはある程度犠牲にせざるを得なかった」と述懐している。 本作のゲームディスクに収録されているドキュメントファイル(*5)には本作の移植にあたってのよもやま話が書かれている。 それによるとセガに払うライセンス料がかなりの高額であったことや他のソフト会社との兼ね合いでソフトの価格も安価にはできなかったとのこと。その為、ゲームディスクには3Dフライトシミューレーターもどきやグラフィックエディタ、エディタ用の外部関数ライブラリ、X68000版「スペースハリアー」をサイバースティック及びマウスに対応させるパッチを収録し、そしてマウスパッドも標準で同梱するという充実したおまけをつけたと語っている。 本体のメインメモリを2MB以上に増設している場合はSHIFTキーを押しながら起動させることで、完全にオンメモリ動作となり、電源を切るまで以後一切のディスクアクセスがなくなるという何気に快適な機能まで付いている。 ファミリーコンピュータ版(1989年3月30日、サンソフト)アフターバーナー。 タイトルは『I』だが、急加速装置アフターバーナーの概念を導入しているので中身は紛れも無く『II』である。 当時としては破格の容量3メガビット。十字ボタンをニュートラルにする事で機体と地平線がセンター位置に戻る方式を採用。本気で無茶ながら最大限の再現を果たした移植をしている。 点数が表示されない、ミサイルが白煙を引かない、キャラクターのサイズがオリジナルより大幅に小さくなっている等の劣化要素はあるものの、アフターバーナー本来のスピード感を見事に再現してみせ、基地への離着陸、ボーナスステージ、合成音声、更にアニメーションによるオリジナルOPデモまで実装している。 敵機の出現パターンもアーケード版を踏襲しており、見た目だけのマークIII版と違ってゲーム性も高い。 PSG音源によるBGMの再現も評価が高い。スペックが明らかに落ちる機種でここまで出来たのは素晴らしいと言える。 一部、地平線グラデーションと敵機が重なって見づらいステージがあるせいか、オリジナルを含む全作品で唯一「前方」の敵を感知するレーダー機能を搭載している。それを頼りに視認しづらい敵機の存在を素早く察知する事ができる。本来は後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機の位置関係を表示し、光の大小を便りにオーバーシュートさせる(加減速して敵機を前に釣り出す)用途に用いるものだが、容量の都合で後方からの脅威は追尾ミサイルしか存在せず、需要が低下したのも仕様変更の理由に挙げられる。気合の移植+実物のF-14も前方しかレーダーは搭載していないというのもあって、この措置はむしろ好評だった。 またボーナスステージが本家オリジナルにもないコーナーの応酬。某戦闘機漫画にも似たシチュエーションがあるが、峡谷を攻めているような臨場感を醸しているのは全機種を通してサンソフト版だけである。 テンゲンのアフターバーナー(海外版)をベースに、文字フォントをアーケード版に近づけ、スタートボタンでアフターバーナー点火できるという、アーケード版の『アフターバーナーII』の要素を再現していた。また、合成音声の再現やBGMの再現度等、音源関係の強化も特徴。最初に飛び立つ空母が、アーケード版では「SEGA・エンタープライズ」だったのが、テンゲン版では「TENGEN・エンタープライズ」、サンソフト版では「SUN・エンタープライズ」に、それぞれ変更されている。 メガドライブ版(1990年3月23日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 北米及び欧州ではSEGAから発売。 方向ボタンをニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。別売のアナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に切り替わる。 ゲーム性としては忠実な移植で好感触。 パッケージイラストが非オリジナル。 発艦時や復活時の拡大演出はない。 デフォルト設定では無制限に撃てる機銃を常時発射。オプションで速度調節変更と引き換えに止めなければならない。 地平線グラデーションなし、地形オブジェの数と種類が圧倒的に少ないなど視覚的に貧しいグラフィック。よく見ると動いているのはオブジェだけで地面は1ミリも動いていない。 地平線にグラデーションがないのは、回転処理をパターン書き換えではなくラスタースクロールで行っているため。 基地での補給シーンがばっさりカットされ、空中給油機での補給シーンを使い回している。 BGMのコンバートは後に『ラングリッサー』シリーズや『ルナ』、『グランディア』シリーズの音楽制作などで知られる岩垂徳行氏が手掛けている。本人曰く「ゲーム音楽制作会社(*6)入社後の初仕事がこれだった」と述懐している。 ちなみにPCM音声をFM音源側のDACとPSG側の1ビットサウンドポートで2ch化するという荒技を行っていたりする。 2022年10月29日に発売されたメガドライブミニ2に収録されており、同ハードと同時発売されたUSB仕様のサイバースティックに対応している。また、収録にあたりノースロップ・グラマンとのライセンス許諾を再度取得しており、ゲーム選択画面にもその旨が記載されている。 PCエンジン版(1990年9月28日、NECアベニュー)アフターバーナーII。 十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式。専用アダプタを介す事でアナログジョイパッド XE-1APに対応。 起動後いきなりステージ14のデモ画面から始まる。タイトル画面の「II」の球体文字は見るたびにオリジナル版にはない奇抜な色と動きを見せてくれる。 加減速とアフターバーナーをRUNボタンの押し方で調節する。拡大演出、基地着陸、白煙も再現されている。 BGM AFTER BURNERはメロディラインが入っているバージョン タイトル画面で回転しながらフレームインしてくる「II」の球体文字を様々な配列パターンに動かして愛でるという珍妙なモードがオプションとして搭載されている。 今では何ら珍しくもない3D描写、動かせるパターンも限られているが、当時は3Dの物体を自由自在に動かせる事自体が貴重で衝撃的なものだった。球体を重ね過ぎるとスプライト欠けを起こして消えまくるのが難点。 スーパー32X版(1995年1月13日、セガ/ゲームのるつぼ)アフターバーナーコンプリート。 方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。アナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に対応する。 コンプリートと銘打つだけあって殆ど完全移植。 厳密に言えば完全移植ではないようで、「色々とごまかしている部分がある」と開発者はコメントしている(参照)。 ロムカセットの利点で、電源を入れてからすぐ遊べる点も評価できる。 セガサターン版(1996年9月27日、セガ/ゲームのるつぼ)SEGA AGESアフターバーナーII。 最もACに忠実な移植。純正パッドは方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するが、マルコン接続にてアナログ操作が可能になる。 ところが残念なことに、よりアーケードに近い操作感覚が期待できるはずのアナログミッションスティックを接続すると、ミサイルが撃てなくなるバグが発生してしまう。 オプションに、ロックオンサイトを敵機に少し寄せるだけで簡単にロックオンできるモードなどが追加されている。 ドリームキャスト版(2001年9月6日、セガ/ゲームのるつぼ)『シェンムーII』内のミニゲーム、書籍『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』いずれもアフターバーナーII。 シェンムーIIは終盤戦(DISC3)九龍城朱雀楼1Fまで攻略せねばならず、プレイにありつくには相当な時間を要す。今にも崩落しそうな薄暗い楼内に大理石調の台座の上に光で照らされ神々しく湛えるダブルクレイドル筐体が…という、他の3筐体(スペースハリアー、ハングオン、アウトラン)にはない特別な存在として描かれている。プレイ後はソフト立ち上げ後の項目「ミニゲーム」にて即プレイ可能になる。 アナログスティックに触れるとニュートラル時に機体と地平線はセンターに戻り、方向ボタンに触れるとニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行する、という2つの操作形式を併せ持つ。 容量の都合上BGMの音源がDC内蔵音源に変更されている。他のミニゲームも同様。2018年に発売されたPS4版シェンムーI IIではアーケード版と同様のBGM音源に変更されている。PS4版はポーズ画面で○ボタンを押すとレバーの上下を反転させることができる。『スペースハリアー』も同様の方法で反転可能。 プレイステーション2版(2004年3月25日、3Dエイジス、D3パブリッシャー)SEGA AGES 2500 vol.10 アフターバーナーII。 ニュートラルでセンターに戻るタイプ。ゲームとしては問題なく成立し、一時期ではあるが定価を上回るプレミア価格も付いた。 パッケージイラストは非オリジナルだが、ルーズリーフ型ライナーノートの1ページが同梱され、その表紙には正規のイラストが描かれている。 ポリゴンで世界を一新し、新世代に受け入れてもらおうとするそのコンセプトは褒められる。 しかしF-14XXのモデルがMig-23を双発エンジン、二枚垂直尾翼に改造したかのような細い胴体をしているなど、第一印象から怪しい空気を漂わせている。 オマケ要素に使用機体の追加されているのだが、この選考が斜め上を行っている。カタパルト無しで空母や揚陸艦から離陸できるハリアーIIはともかく、F-117やA-10は空母では運用できない地上攻撃機。またこの3機はいずれもアフターバーナー非搭載機。タイトルを考えると選考から真っ先に除外されるべき存在。 F-117(開発/製造)やA-10の一部形式(原型機からC型への改造請負)の商標を管理するロッキード・マーティン(アメリカの軍用機メーカー)とセガはあまり相性が良くないようで、P-38が登場予定だった『プロペラアリーナ』は発売中止、『アフターバーナークライマックス』では同時期に発売された他社のフライトシム/フライトシューティングでは当たり前のように登場するF-16やF-22、F-35といったロッキードの製品が一切出てこない。(*7) 対G限界を超えて超機動で動き回るナイトホークはシュールで格好良いが、本来はジャンボジェット機よりに運動性能が悪く、大規模な爆撃部隊が他所で騒動を起こしている隙に重要拠点を爆撃して逃げ帰る機体のため、強制スクロールの『エースコンバット』をプレイさせられている気分になってしまう。 プレイステーション3、Xbox360版(2010年4月21日、セガ)アフターバーナークライマックス。 DL専売ソフト。ネーミングは略すと「ABC」になる事から付けられた。そういう意味では同社のエアバイクコップ第二弾。→AFTER BURNER CLIMAX ニンテンドー3DS版(2013年12月18日、セガ/M2)3DアフターバーナーII。 単体版はDL専売ソフト(*8)。上記のSS版と同様、ACに忠実な移植で、裸眼立体視に対応したアフターバーナーII。 オプション設定が充実し、8インチフロッピー(*9)から読みだしたメロディ付きBGMへの切り替えや、画面の中に各筐体のガワ(外枠)部分を表示できたりする。 更にアーケード筐体の体感性を再現したムービング筐体モードにより、機体の旋回や360°ローリングに反応して画面が傾斜する。 3DS画面の中に当時のゲーム画面を表示させるので、画面サイズは多少犠牲となる。 第2期ということで制作にも余裕が出来たのか、「グラントノフ」と呼ばれるようになった3D復刻版でのオリジナル要素がパワーアップ。追加要素ではなく、ゲームをほぼ作り変えるレベルのアレンジモードが収録されるようになった。それがアーケードモードをクリアすると出現するスペシャルモード。「クライマックスの2D版を意識した」とインタビューで語っているように、スコア稼ぎや回避に優れたバーストの追加や、ボーナスステージ及びステージ22~23で耐久力のある赤いライバル機が出現し、ライバル機とのドッグファイトを繰り広げる事が可能。なお「グラントノフ」の名の通りグラントノフを出そうという意見もあったようだが、松岡Dに断固拒否されたとのこと(*10)。 第2期のトップを飾った割には、アーカイブス1/2へ収録されていなかったが、アーカイブス3にてようやく収録。これはパッケージ化に伴い、再びノースロップ・グラマンとの版権使用契約が必要になったため、予算的な関係で後に回されていたためである。 関連作品 + 一覧 『G-LOC』:Yボード基板使用。システムは制限時間制のミッションクリア型になった。大型可動筐体である「R360版」も存在する。(*11) 『ストライクファイター』:『G-LOC』のシステムをアフターバーナー寄りにしたマイナーチェンジ版。後に『AFTER BURNER Ⅲ』のタイトルでメガCDとFM-TOWNSに移植された(移植版の発売元はどちらもCSK総合研究所)。 『セガ・ストライクファイター』:2000年に稼働したNAOMI基板による新作。上記の作品とは内容が別物となっており、システムは『G-LOC』に近い。3画面を使った筐体も存在する。開発はワウ・エンターテインメント(分社化時代のAM1研)。 『スカイターゲット』:自機でF-14Dが使用できるほか、ミッション3-B、6-AいずれもCITYステージでAfter BurnerのアレンジBGMが流れる。 『スーパー大戦略(MD)』:隠しユニットとして登場、ゲームを意識してか各ミサイル搭載量が多く20mmバルカン砲は99発。他の体感ゲームからの参戦はサンダーブレードとギャラクシーフォース(TRY-Z)。 『ファイターズメガミックス』:BMステージで特殊なコマンドを入力するとF-14XXが飛来する。 『パワードリフト』:A、C、Eコースを全ステージ1位で通過すると現れるエクストラステージのプレイヤー使用機として登場。スタート後バギーから変形する。元が飛行機なので宙に浮いてコースを”走る”。ちなみにB、Dコースではハングオンのバイクに変形する。 『シェンムーII』:啓徳空港名物「ジャンボ機が市街地上空をかすめる」演出があるのだが、福仙街の某所にて低確率でジャンボ機の代わりにF-14XX編隊が横切る 海外でのみ販売された移植作、続編 + 一覧 LCD版アフターバーナー(ゲーム ウオッチ型とアップライト筐体の小型版の2種類) GBA SEGA ARCADE GALLERY アフターバーナーI(鈴木裕4大作品を収録) PSP アフターバーナー ブラックファルコン(収録機体が3Dエイジスと匹敵する) 携帯電話アプリ アフターバーナー 余談(II)(稼働状況について) 大阪新世界で謎の業者が営むゲーセン「ザリガニ」に現役で稼働するダブルクレイドル仕様筐体が存在する(*12)。ただし話題に上がったが故の稼働率の高さが災いし、他のゲームでは考えにくいペースで故障を繰り返していた。流石にこの状態で動態保存は難しいということで、プレイ料金が300円に値上がりした(*13)。そして2020年、出どころはわからないのだが、なんと2台新たに発掘されオーバーホール完了、2021年現在は3台体制での稼働になっている。ただし3台稼働は休日のみで、平日は負担低減のため3台のうち1台がローテーションで稼働している。 池袋ゲーセンミカドと秋葉原SEGA3号館(*14)、天野ゲーム博物館で無可動タイプの純正アップライト筐体が稼働中。入れ替わりが激しいので常設では無いが、Heyのようにシティタイプ筐体に基板のみ移植(*15)という形で稼働する店も存在する。 2016年9月10日~2017年3月12日に川口市で開催された「あそぶ!ゲーム展-ステージ2 ~ゲームセンターVSファミコン~」にて完動状態のシングルクレイドル筐体が展示。来館者は自由にプレイ可能だった。 同展では他にも『アウトラン』『スーパーハングオン』など数々の大型筐体ゲームが完璧に近いコンディションで展示されておりプレイもできた。
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NINTENDO パズルコレクション 概要 評価点 問題点 総評 余談 ドクターマリオ 概要(ドクター) 評価点(ドクター) 問題点(ドクター) 総評(ドクター) ヨッシーのクッキー 概要(クッキー) 評価点(クッキー) 賛否両論点(クッキー) 問題点(クッキー) 総評(クッキー) パネルでポン 概要(パネポン) Pokémon Puzzle Leagueについて 評価点(パネポン) 賛否両論点(パネポン) 問題点(パネポン) 本作固有の不具合 ポケモンパズルリーグに起因する不具合と仕様 他機種より改善されなかった点・劣化した点など その他 総評(パネポン) NINTENDO パズルコレクション 【にんてんどー ぱずるこれくしょん】 ジャンル アクションパズルゲーム 対応機種 ニンテンドーゲームキューブ メディア GC専用光ディスク 1枚 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ任天堂トーセ各ゲーム開発はその他多数関与 発売日 2003年2月7日 定価 5,800円(税別) プレイ人数 1~4人 レーティング CERO 全年齢対象 備考 収録作のうち『パネルでポン』は劣化ゲーGBAケーブル同梱 判定 なし ポイント 一部難ありの名作パズル詰め合わせ『クッキー』以外の2つは海外N64作品の移植GBAまたは別売コントローラ 変換器ほぼ必須 マリオシリーズ ヨッシーシリーズ パネルでポンシリーズ 概要 任天堂発売のアクションパズル『ドクターマリオ』『ヨッシーのクッキー』『パネルでポン』のGC版をまとめて収録したソフト。 さらに、GBA本体に転送して遊ぶジョイキャリー版も収録している。 このうち新規に製作されたのはGCの『ヨッシーのクッキー』とGBA転送版の『パネルでポン』のみである。 これ以外はN64用として制作され、海外のみで発売されていたソフトの移植またはFC版のエミュレータ動作である。 本記事ではソフト全体の評価と、収録作品の個別の評価を同記事内で扱う。 各記事の詳細は『ドクターマリオ』『ヨッシーのクッキー』『パネルでポン』を参照のこと。 評価点 1つのソフトに本編3本+おまけ3本。原作はいずれも一定の評価を得たソフトであり、パズル好きならお買い得な収録内容といえる。 セーブ機能などプレイ環境の向上、4人対戦などゲームモードの追加が図られた。 いずれも原作は2世代以上前のゲームでありセーブ機能はなかった。本作はハイスコアなどの記録ができるようになり、複数のプレイヤーが個別に記録できる。 名前(セーブファイル)は各ゲーム毎に最大8つ用意されている。データが保存されないゲストユーザーの項目も用意されている。 特にFC版を原作とした『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』はこの傾向が顕著。 3作品のエンディングを見終わった後にメニューへ戻ろうとするとちょっとしたご褒美がある。 問題点 ハードの問題といえるが、細やかさと激しさの両方の操作が必要なジャンルにもかかわらず、GCの標準コントローラでは操作しにくい(*1)。 同梱品のGBAケーブルにGBA本体をつなぐか、ホリ製のデジタルコントローラ、非ライセンス品のコントローラ変換器がないと快適なプレイが期待できない。 当時任天堂が店頭配布していたカタログ本にはデジタルコントローラが推奨コントローラとして掲載されていた。 しかしGBAケーブルは保存状態が悪いと接触不良が発生しやすく、電池切れなどでいきなり接続が切れて操作不能になってしまうことがある。 かといってデジタルコントローラを使おうにも2021年現在はプレミア化しており、手に入れるには下手すると中古ですらこのソフトの定価よりも高くついてしまう。 対戦プレイの場合は当然それらが人数分必要となり、それなりの出費がかかる。仕方なく標準コントローラを使う人は最初からハンデ状態。 Wii用として販売されていたGCポート ⇒ PSやSFCコントローラ変換器を使用するのもひとつの手。 単体で発売されるはずだった旧機種用ソフトが元の作品2種と、新規製作作品1種を収録している構成から、メニューやセーブの仕様、ゲームモードやプレイヤーファイルの数が異なるなど、チグハグな印象を受ける。 『ドクターマリオ』と『パネルでポン』はもともと64用に開発されており、テクスチャ等を高解像度化せずそのまま流用されているため画質が粗い。それに合わせてタイトル・ゲーム選択画面なども粗いのだが、『ヨッシーのクッキー』だけはGCソフトらしい高画質なので逆に浮いている。また、パネポンはタイトル画面のロゴだけを新たに作ったのか、なぜかロゴだけがGCグラフィック相当の綺麗なものになっていてこちらもやや違和感がある。 とはいえ画質が致命的なレベルで悪いわけではなく、人によっては多少気になる程度に落ち着いている。 『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』の転送版はFCのエミュレータ動作なのだが対戦プレイはできない機能制限版(*2)。また『パネルでポン』の転送版は新規製作でGC版よりかなり細かい設定ができるものの、エンディングなどのご褒美要素は一切ない。 いずれも練習用またはオマケと割り切った方がよい。メーカーもそのつもりで入れていると思われる。 『パネルでポン』はメニューで「エンディング等はない」と言い切っている。 『ヨッシーのクッキー』に関しては、GBAではファミコンミニや新作が発売されず、GBAで遊べる手段として活用できた。また、Wiiのバーチャルコンソールも現在配信停止されているため、現在ではFC版を遊べる手段にもなっている。 『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』の間に発売された『ヨッシーのたまご』や『カービィのきらきらきっず』といった他のパズルゲームは未収録。 移植・リメイクの機会に恵まれていないものが多いだけに惜しいところである。 総評 実質は発売未定となっていた旧機種ソフト+αのパズルである。 パズルゲームは一部の定番タイトルを除けばニッチ向けの作品であり、大多数の作品はプレイされる機会そのものが少ないが、本作は「一通り名の知れた複数タイトル収録によりまとめ買いを狙う」手法によりそのデメリットをカバーした。 パネルでポンの登場キャラが万人受けしないとされていた妖精に戻ったのも他の2作品の存在があったからこそと言える。 旧世代版から一転してバラエティに富んだ内容となった『ドクターマリオ』と、それに対して明らかにボリューム不足の『ヨッシーのクッキー』に加え、ローカライズの粗が目立つ『パネルでポン』など各ゲームのボリュームや品質にばらつきがある点は気になるところではある。 だが、これらの欠点に目を瞑れるパズルファンや、新作に触れてみたい各シリーズファン、細かいことを気にせずに多人数でにぎやかに遊びたいプレイヤーには十分な決定版ソフトとなり得るだろう。 余談 収録作の原作である『Dr.Mario 64』『Pokémon Puzzle League』は『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の海外版に収録されている。 『ヨッシーのクッキー』に関しては海外での発売がなく、新規に製作された作品のため、本作でしか遊ぶことができない。 ドクターマリオ 開発元 ニューコム ポイント 北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植しかし順当なリメイク作品であるといえる現状シリーズ最多のモード数3作品の中ではもっとも高評価登場キャラはなぜか『ワリオランド3』 概要(ドクター) 2001年に北米で発売された『Dr.Mario 64』の日本語ローカライズ移植。 ルールについてはこちらを参照。 評価点(ドクター) シリーズ最多を誇るモード数と新規追加要素。 1人用だけで「オリジナル」「おはなし」「VS COM」「フラッシュ」「たいきゅう」「スコアアタック」と、6つもゲームモードがある。さらに「おはなし」ではドクターマリオとワリオの話がそれぞれ用意されている。 2人用も「VS」「フラッシュ」「スコアアタック」の3ルール、4人用も「VS」「フラッシュ」「タッグバトル」の3ルールとゲームモードが豊富に取り揃えられている。 対戦の新ルール「フラッシュ」はウイルス全てではなく、光るウイルスだけを全て消せば勝ちになるモード。そのため、ウイルスを素早く消していくことが重要になる。光っているウイルスを全て消すと勝ちというルールは『テトリスフラッシュ』に近いものとなっている。 1人用の新モード「たいきゅう」は、次々に増えていくウイルスを延々と消して行くエンドレスモード。全て消しても復活するため、まさに文字通りの耐久モードである。通常の条件のほかに、上3段までにウイルスが来てしまうとその時点でゲームオーバーになる。 「おはなし」モードは近今のゲーム風に仕立ててあり、簡単に言うなら『ぷよぷよフィーバー』のような形式で進行する。ただしキャラクター同士の会話はあまり多くない。 ストーリーを簡単に説明するとマリオの場合「ウイルスの治療薬をマッドシタインに奪われたので奪還に向かう」、ワリオの場合「マリオの治療薬を使ってひと儲けしようとしたらマッドシタインに先を越されたので奪いに行く」というもの。 難易度によりストーリーモードの大きな変更はなく、敵との戦闘形式が変化(*3)したり、NORMAL以上の難易度である条件を満たすと隠しキャラが登場したりするのみ。一応ストーリーはマリオ編とワリオ編の2つ用意されており、マリオ編はハッピーエンド、ワリオ編はバッド(兼トゥルー)エンドとなる。 「おはなし」モードで攻略したキャラは対戦モードで使用できる。対人戦では特に性能差はないのだが、対CPU戦にするとキャラに合わせてAIのレベルが変化する。 隠しキャラは最初から使えず、NORMAL以上かつノーコンティニューで勝利すると使えるようになる。隠しコマンドでHARDより難易度が高い、S-HARDに挑戦できる。 キャラクターにそれぞれボイスが追加されている。 ただし2連鎖、3連鎖、4連鎖、勝利時、ダメージ時の5つまでしか用意されておらず、ボイスが豊富に存在した『ぷよぷよ』シリーズなどに比べるとやや物足りない感じはある。 とはいえ、連鎖で勝敗がつくゲームでもないので妥当だという考え方もできるが。 BGMのアレンジは耳障りにならないよう上手く仕上がっている、ローカライズ自体が非常に丁寧など、3作品の中では評判は上々。 前述の通り条件を満たすことで隠しボスも出現し、後述の対戦で使用できるようになるなど、ちょっとしたやりこみ要素もある。 なおサウンド制作はティーズミュージックが担当している。また今作の追加BGMはのちに『Dr.MARIO 細菌撲滅』にも使われた。 問題点(ドクター) 登場キャラクターは『ワリオランド3 不思議なオルゴール』から流用されているが、その必要性が薄い。 クリボーやノコノコ、パタパタのような有名なキャラクターならともかく、ヤリまる、フーセン魔人、ハンマーロボ、マッドシタインなど、余程のマリオファンでないと名前がすぐ思い浮かばない(下手すれば本作オリジナルと勘違いされかねない)キャラクターを対戦相手として出されても印象が薄い、というのが正直なところだろう(*4)。ちなみに操作キャラではないが、カサマルもガイド役として登場している。 原作のラスボスは「ナゾのゾウ」名義で登場しているため、しれっと原作のネタバレになってしまっている。(*5)。 ストーリーの舞台はオルゴールの世界ではないため、ヤリまるやマッドシタイン、ハンマーロボといった一部の敵キャラは単にナゾのゾウの手下という設定で登場する。 良く言えば原作のネタバレ防止かつ、原作シリーズの敵キャラの中で比較的知名度があるということだが、悪く言えば原作『ワリオランド3』の世界観を完全にぶち壊しているという事でもある…。 リトライが確認なしで行われる。 全てのモードで共通の仕様としてポーズメニューで「もういちど」を選択するとリトライすることができるのだが、選んだ時の確認が一切ない。 これでリトライした場合はコンティニューした扱いになるのだが、それまで稼いだスコアもリセットされ、0になってしまう。それどころか、今までに稼いでいたスコアを基準にしてランキングに登録することもできない。 この弊害を受けやすいのが「たいきゅう」モード。長時間のプレイでスコアを積み上げていくタイプのモードなので、どんなにスコアを稼いだとしてもこれを選択するだけで全てが水の泡となってしまう。 総評(ドクター) 北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植であるうえ、登場キャラはなぜか『ワリオランド3』からのものだったりと謎な部分もあるが、シリーズ最多を誇るモード数と新規の追加要素等があるうえ、ローカライズ自体も非常に丁寧で、3作品の中では最も評価が高い。 GB版やFC版経験者のみならず、未プレイ者にも順当な進化作として普通に遊べる良質なものとなっていると言える。 ヨッシーのクッキー 開発元 トーセ ポイント 3作品で唯一の非ローカライズ移植の新規作品画質に関しては3作品で一番良いしかしモードはFC版+α程度でボリュームでは最下位ただしゲームモードの数自体はSFC版と同じいちおう順当なリメイク作と言える出来 概要(クッキー) 元々N64用ソフトが原型である同時収録の他2作品と違い、これのみはパズルコレクション収録のために新規に作成された作品。 クッキーの並ぶ列を縦横にスライドさせ、一列すべてを同種のクッキーで揃えるとその列が消える。 評価点(クッキー) 他の2作品よりも高画質で見やすい。唯一GCソフトらしい画質。 コントローラの種類を抜きにすれば、GB版以来の4人対戦が手軽に可能となっている。SFC版と同様、性能の異なるマリオ・ヨッシー・ピーチ・クッパの4名の中から使用するキャラクターを自由に選ぶことが可能。 ちなみにGB版では4人対戦を行うためには「本体4台、カートリッジ4本、通信ケーブル3本、4人用対戦アダプタ1台」が必要なブルジョワ仕様だった。とはいえ、GBで4人対戦できるということ自体は当時としては破格であったと言える。 クッキーの絵柄が変化し、ヨッシーのクッキーを使わないと消せないコウラが登場する11面以降もしっかりと収録。セーブ機能が追加されたことにより、長丁場の攻略もしやすくなった。 ステージ間のコーヒーブレイクも本作用に新たに作られており、オプションで自由に見ることも可能。 今作で新たに「ストーリー」「ヒント」モードが追加された。 「ストーリー」はドクターマリオの「おはなし」と同じく近今のゲーム風に仕上げたもの。プレイヤーはマリオ ヨッシー(キャラの性能はマリオと全く同じ)を使い、道中に立ちはだかる敵とVSのルールで勝負していく。 難易度に応じて敵の強さとタイムオーバーになるまでの制限時間が異なる。 「ヒント」はゲームの操作方法や、対戦での攻撃の種類についてなど説明を見ることができる。 その他にゲームの設定を変えられるオプション機能も搭載している。 BGMは基本的に既存曲のアレンジが多く悪くないが、今作で追加された新曲も複数存在する。 特に、完全新曲であるストーリーモードの通常対戦BGMは評価が高く、普通の対戦でも使いたかったという声が多い。 賛否両論点(クッキー) ストーリーモード周り ストーリーを簡単に説明すると、「作ったクッキーをクッパに奪われたのでクッパの城に向かい奪い返す」というかなり簡単なもの。 テキストはドクターマリオ以上に少ない。また、難易度を上げてもストーリーの変化は一切ない(登場するキャラは変化する)。 さらにこちらはメッセージの他、会話画面も子供の紙芝居風で進行する。テキストに漢字も一切使われていない。 ただし、登場キャラクターの多くがなぜか『ワリオランド3』からであったドクターマリオとは違い、こちらの登場キャラは『スーパーマリオブラザーズ』、『スーパーマリオワールド』のものであるため、比較的有名なキャラが多い。また、難易度によって出現するキャラも変わる(*6)。 対戦画面は常に背景が同じ、BGMも最後のクッパ戦以外は全部同じと変化に乏しい。他2作品が特徴的なのでよけいに物足りなさが目立つ。 ステージ6ではドッスン・カメックが一度に現れるが、3人対戦というわけでもなく普通に1回ずつ対戦するだけ。反面最終ステージのクッパは3回先取しなければならないなど、ステージの概念があまり意味をなしていない。 もっとも、ラストステージのクッパに関しては「ラスボスだから容易に倒せない」「ラスボスだから特別仕様」等と考えればそこまで不自然ではないかと思われる。 他の二作品とは違い、HARDより上の難易度は用意されていない。ただし、オプションの項目でCOMがより強くなる「かくしCOM」という要素は存在する。 問題点(クッキー) ゲームモードは1人用が「オリジナル」「ストーリー」の2つ、対戦が「ふたりでたいせん」「みんなでたいせん」の2つのみ。他の2作より明らかにボリューム不足。SFC版に収録されていたパズルすらない。 ただしSFC版にはストーリーモードがないので、実はモードの数自体はSFC版と同じ。 セーブの際にいちいちセーブ中画面に切り替わるので実際より長く感じる。 総評(クッキー) GB/FC版やSFC版の『ヨッシーのクッキー』のGC版新規作品であると共に、同時収録の『ドクターマリオ』『パネルでポン』と違い、今作唯一の非ローカライズ移植の新規作品。 グラフィックに関しては3作品の中で最も良い反面、ゲームのボリュームに関しては他2作より劣る。SFC版にあったパズルも今作には無い。 その代わりかSFC版に無かったストーリーモードが新たに追加されており、実はモードの数自体はSFC版と同じである。 加えてGB版でハードルの高かった4人対戦も本ソフト1つ+GC1台+コントローラー4つで可能になっている。 その辺りを考慮すれば、GB/FC/SFC版の順当なリメイク作であると充分言える出来になっていると言っていいだろう。 パネルでポン 開発元 メインプログラム Nintendo Software Technologie(NST)CG・BGMなど インテリジェントシステムズ、任天堂 判定 劣化ゲー ポイント 海外64ソフトを流用したSFC版続編リメイクのGC移植という複雑な生い立ち米国製→ローカライズ→移植でなぜか不具合増加ゲーム内の1分は実時間の1分10秒ゲーム内では一切明かされない初代キャラとの母娘関係 概要(パネポン) 1995年のSFCソフト『パネルでポン』のGC移植版。 左右2マス分のカーソルを動かして下からせり上がってくるパネルを入れ替え、同じパネルを縦か横に3個以上並べると消える。 説明書ではSFC版の箱絵とともにリメイク作と紹介されているが、妖精の世界という設定はそのままに、キャラクターは従来のリップ達からフリルら次世代新キャラに交代、SFC版とは異なるストーリーが展開される。 実は海外で発売されたNINTENDO64用ソフト『Pokémon Puzzle League』を原型に、キャラクターや演出等をSFC版に準じて変更したゲームである。 そのためSFC版の次世代を描いた続編新作寄りのリメイク作であると同時に、海外N64ソフトの日本向けローカライズ兼GC移植作ともなっている。 Pokémon Puzzle Leagueについて 北米で2000年に発売されたパネルでポンの64版。メインプログラムの開発はSFC版担当のインテリジェントシステムズではなく、アメリカのNSTが担当している。 発売当時は唯一アニメ版ポケモンをベースとしたゲームであり(*7)、雑誌64ドリームでは任天堂広報により日本版発売の可能性もほのめかされたが実現はしなかった。 これら2作のメインスタッフおよびテストスタッフは一致しており、パネルでポンのスタッフロールには本来表記する必要のないパッケージデザイナーの名前も明記されている。 + 参考画像 ポケモンパズルリーグタイトル画面 ルール説明画面 パネルでポンのルール説明画面。パネルの並びが一致している。 いずれもゲーム画面の数字や文字、パネルのデザインが一致しており、洋ゲーショップなどで先行してパズルリーグを購入しプレイしていたコアなパネポンファンはパズルコレクションの画面写真が公開された時点で共通性に気づいていたようだ。 評価点(パネポン) 画質・表現は64相当となるがリメイク作として順当に進化している。 特に対戦ゲーム画面の上に表示されるキャラクターが顕著。前作では小さめのドット絵だったが、本作ではイラスト調になり、より大きくかわいくなった。 勝つと気持ちの悪い投げキッスをし、負けると白く燃え尽きる魔王など、敵キャラ陣もコミカルに描かれている。 ボイスも大量追加。連鎖・同時消しでそれぞれセリフの発音が変えられており、中にはセリフそのものが違うキャラクターもいる。 VS.COMや対戦モードのキャラクター選択時もアクセントを変えていたり、違うセリフを言ってくれる。 VS.COMではデモで漫画のコマのような画面転換を用いたり、平面のイラストに3Dのオブジェクトやプリレンダ作成のキャラクターを重ねたり、ボスキャラであるクジラのジルバ戦では背景に一枚絵が使われていたりと目新しさがある。 SFC版では一部キャラで重複のあったゲーム画面のBGMと背景が完全にキャラクター個別になった。 旧作に見られたバグの改善。対戦での激しい連鎖や返しの応酬でもフリーズしなくなった。 SFC版に存在したおじゃまパネルに関するバグの解消。重要テクニックの「おじゃま返し」が途切れる、フリーズするなどのバグが生じていた。 ポケモンパズルリーグでまれに発生した「パネルがえんえんせり上がり続けて並べても消えず、ゲームオーバーにもならない」バグの修正。 処理落ちの改善。しかもオプションであえて処理落ちを再現するよう設定することもできる。 当時としては最強レベルのCOMプレイヤー。 VS.COMの難易度設定ではHARDより上のS-HARDに続き、さらに難しいV-HARDが追加された。 V-HARDにもなるとCOMプレイヤーはやたらと粘り強く、おじゃまパネルの送りあいによるラリーが期待できる。火力が不十分だと長引いて10分越えも。SFC版ではもう楽勝で物足りないという人も安心してその強さを体現できるだろう。 カーソル速度の上昇だけに頼らず、ステージごとに思考パターンを変えており、例えばプレイヤー側がせり上げするまで様子見するなど、思考ルーチンはかなり細かく組まれている。 V-HARD自体は『ポケモンでパネポン』で既に実装されていたが、「ステージクリア」のボスと同様にHP制の対戦方式だったため、プレイヤーと同じ条件で戦えるのは本作が初となる。 システム面の追加・改善いろいろ オプションモード、自作パズル作成機能、4人対戦モードの新規追加。 オプションではサウンドテスト、連鎖・同時消しカウント表示の半透明化、前述の処理落ち設定なども可能。 SFC版では13まで、それ以上は?と表示されていた連鎖カウントが14以上も継続表示される。こちらもオプションでSFC版と同じ設定にすることも可。 パズルモードが選択不可のステージクリア制から問題選択制になる。 クリア数に応じて新たにステージが開放される形式へ変更されたため、詰まってもとりあえず後回しにして他の問題をプレイできる。 3Dモード 新ルールとして3Dモードが追加された。20列相当のパネルが左右が繋がった筒状になってせり上がってくる。筒を回しながらプレイし、裏側まで手を回さないといけない。 従来の2D以上のパネル数があるため上級者になればアホみたいに長い連鎖も可能。脳汁が出ること請け合い。 現状このモードはポケモンパズルリーグと本作のみの搭載となっている。 賛否両論点(パネポン) 説明不足のキャラクター交代とその設定 2002年末にパズルコレクションの発売と同作への収録、画面写真やキャラクターイラストなどの情報が公開されたが、主人公はSFC版の「リップ」に似てはいるものの、髪形や服が微妙に違う「フリル」という名の別のキャラクターだった。さらにゲーム画面で確認できた他の妖精の多くも「SFC版とは似ているようで違う」というデザインになっていた。 + 参考画像 今作の主人公「フリル」(左)と、SFC版の主人公「リップ」(右)は別キャラ。似てはいるものの、髪形や服が微妙に違う。 発売直後もメーカーや開発サイドからの言及は特になかったが、公式攻略本で「フリルはリップの娘」と紹介され、後の世代の話であることがやっと明かされた。しかし公開された設定はたったこれだけである。 初報ではこの親子関係に触れられることはなく、さらには設定説明や先代キャラの登場などゲーム内にそれを明示する表現は全くないため、しこりや余計な憶測を呼ぶ原因となった。 しかし他の任天堂キャラへの交代が繰り返された当シリーズにおいて、SFC版のキャラクターによるシリーズ展開を諦めていたファンからはGC版がSFC版直系の後継作として発売されたこと自体が奇跡と、おおよそ好意的に受け入れられている。 SFC版のリメイクを謳っていたのにキャラクターが変えられているのもおかしいのだが、初報から次世代キャラであることを公表しておけばいくらか心象は良かっただろう。 ゲームにはリップをはじめ大人になっているはずの先代キャラは一切登場しない。この手の世代交代物によくある両者のからみが一切見られないのは残念極まりない。 女子向け色の強いキャラクターと世界観 また、SFC版と同じようなキャラクターのデザインである事は、良くも悪くも人によって評価が分かれやすい。「SFC版からそうだったので問題無い」「さすがにもう慣れた」という人や、「全く問題無い」「むしろこれがいい」という人もいるが、やはり「このキャラデザインには抵抗がある」という人もいる。 前述の通り、オムニバスソフトの収録作となったため「パッケージを手に取りレジへ持っていく」という購入時の難易度は大幅に下がっている。恥ずかしがっていた人も今度はついでにプレイしてみてはいかかだろうか。 ストーリー内容に関する点 VS COMのストーリー序盤は「妖精界の異変から唯一免れた花の妖精が他の妖精の正気を取り戻し、皆で妖精界を征服しようとする巨悪と対峙する」というものでSFC版と一致するが、後半の筋書きはSFC版と全く異なる。 + 以下ネタバレ注意 途中で太陽の王子と名乗る美少年剣士「カイン」が現れ合流。フリルと"宿命的な出会い"(キャラクター紹介より)を果たす。 後半の敵キャラが「フェニックス」「ドラゴン」ではなく、夫婦双頭竜の「キックチョップ」とマジシャンの「ジョーカー」となっている。 その後SFC版と同名のキャラクター「魔王サナトス」「女神コーデリア」が登場するが、外見やキャラクター設定が異なる。 サナトスはどちらも角付きモヒカンマッチョの大男だが本作では白髪になっている。SFC版に登場した魔王の「オリジナル」「本人」である可能性はあるが、説明は一切ない。 コーデリアは裸で金髪ロングヘアという共通点がある。しかし顔がだいぶ異なる上、各ストーリーの差異からどう考えても全くの別人。 真の敵は女神ではなく、私利私欲のためにクジラのジルバを操り悪事を働いた魔女三姉妹だった。この三姉妹はHARDをノーコンティニューでクリアするか、V-HARD以上でクリアすると最後に戦うことができる。 勝利した後のデモの最後には三姉妹の長女が「これで終わったと思ったら大間違いだよっ!」のセリフを吐いて終了するため、「この続きが見られるのではないか」「より難しいゲームモードが公開されるのではないか」と捉え、前作のようにV-HARDをゲームオーバーなしでクリアしてみたプレイヤーもいるが、それでもエンディングは全く変わらない上にV-HARDが最高難易度のため、無駄な努力である。 また続編への持ち越しとも受け取れるが、残念ながら続きの話を描いたゲームはない。どちらにしても尻切れトンボ感は否めないだろう。 なお、勝った場合は上記のデモの後にスタッフロールのBGMが変化するが、負けた場合はコンティニューができず、そのまま通常のスタッフロールに移行する。 BGMについて パネルでポンはキャラクター固有曲をはじめとした多数のBGMが好評を得ていた。本作において既存曲はアレンジされるか、さらには新曲へ入れ替えがされており、曲によっては賛否両論がある。 多くは順当なアレンジだが、緑の妖精、月の妖精、魔王は別曲に入れ替わった。 前2曲は曲調を引き継いだ新曲となっており、前作の雰囲気を壊すものではないため、違和感はあまりない。 SFCの魔王曲は勇ましさとコミカルさが同居した名珍曲として大好評だったため、作風がガラリと変わったGC曲に残念がる人は多かった。曲自体はシリアスな正統派路線でカッコいいのだが、SFC版の印象があまりにも強すぎる。 一方で、風の妖精の曲はサビがカットされ短くなり、通常エンディング曲はリピート多用でメリハリがなくなった。 ちなみにBGM担当がGB版『ヨッシーのパネポン』と同じ人のせいか、後者にはヨッシーアイランドOP曲のフレーズが混じっている。 SFCの緑の妖精のピンチ曲はライオン(中ボス)のピンチ曲に流用されている。もっともこちらは一部で「怖い」とも評される激しい曲調の上、相応にアレンジされているため、違和感はない。 そのほかアップテンポになった宝石の妖精、禍々しさは薄れそのまま善玉キャラにも転用できそうなボス・キックチョップの曲など、前作から大胆にアレンジしつつ新風を吹き込んでいる曲もある。 もちろん新曲はキャラクターや場面の雰囲気に合っており全体的に好評。ストーリーデモ用の曲は状況に応じ多数追加され、スローテンポのクジラのジルバのピンチ曲など意外な構成の曲もある。このパズルゲームらしからぬ多様性という点においては前作のツボをきっちり押さえている。 制約のある3Dモード 3Dモード自体は新鮮味があり面白いのだが、 肝心の1人用VS.COMや4人対戦で3Dモードを選ぶことはできない 。 エンドレスなど3Dのあるゲームモードでも、これを選んだからといってエンディング等の変化は全くないため、中途半端さやおまけ感が拭えない。 漢字混じりの太い丸文字フォント 独特な手書き風のフォントを採用している。ポップでかわいらしいデザインとも取れるが、濁点・半濁点付きの文字は元の文字をやや左下へ詰め、右肩へ「゛」「゜」を追加するなど、各文字のサイズや太さに統一感はなく、読みやすいとも言い難い。 スタッフロールの人名や、作中で多用される用語の「連鎖」「妖精」「魔王」などはともかく、「好奇心旺盛」「神秘」などの漢字もごく平然と使われている。漢字を排除したほかの2作とは対照的。 振り仮名の表示や、漢字を使わず かなで表示させる機能はない。小学生低学年あたりまでのプレイヤーにはやや厳しいものがある。 問題点(パネポン) このゲームの問題点は、ローカライズ移植の際に粗だらけにされたプログラムと、前作プレイヤーからの評価要素を削除した一方で、改善要望には応えられていないという点に集約される。 前述の通り海外スタジオ開発ソフトの日本向けローカライズ作であり、開発傾向が前作のブラッシュアップではなく、とりあえず見様見真似でひととおりの仕様だけは揃えて移植した感が強い。一方で後述の6桁固定スコアなど、原作の意図を汲んでいない仕様の改変もある。 さらにはローカライズと移植が施された結果として、なぜか新たなバグや不具合が増加する事態になった。 SFC版でプレイヤーに不利益のあるバグはおじゃまパネルの処理くらいだったので、これらのバグがよけい目立つことに。 バグ等に業を煮やしたプレイヤーからは、同時収録された体験版相当のGBA転送版の方がマシとか言われた。 本作固有の不具合 パズルゲームとして致命的なタイマーのバグ このゲームでは実時間の約1分10秒がゲーム内では1分としてカウントされる地味ながら重大なバグが存在する。 そのため2分ちょうどで終わるはずのスコアアタックが実際は2分20秒ほどある。他機種より制限時間が長いため容易に高得点が取れる。 他のゲームモードにて表示される経過時間も当然不正確なものとなる。実際の経過時間は表示時間よりも多い。 同様に64から移植されたドクターマリオにこのバグは存在しない。またパネルやカーソルの挙動などゲームスピードに影響はない。 その他、デモやメニュー周りの不備・不具合が目立つ。一言で表現すると仕事が雑。 VS.COMのストーリーデモ メッセージ欄横に表示されているキャラクターはセリフだけでなく、状況説明やキャラクター名紹介などセリフ以外の文章でも口パクしている。 フリルと背景の切り替えタイミングがズレて不自然に見える場面がある。 オプションのサウンドテストでフリルの説明メッセージ音が被り、うるさい。 「BGMを きけるんだよ」「きにいった きょく あったかな」のメッセージ音がえんえん繰り返され、サウンドテストを全力で邪魔してくる。 一応回避方法はある。あらかじめSEボリュームを下げておき、サウンドを再生したあとすぐ上の効果音へカーソルを合わせればよい。ただしSEボリュームを下げてもSEの音量が目立たなくなる程度に小さくなるだけで、完全に消えるわけではない。どうしてもカーソルの移動音やメッセージ音は被る。 ポケモンパズルリーグの同オプションではメッセージによる説明がないためこのようなことは起こらない。また、こちらは今作と違いSEボリュームを下げると完全にSEが消える。なぜ変えた? さらに曲は必ずフェードインしながら再生されるので、先頭がわずかに切れる。ただしこれは2作とも同じ。 この他発生頻度は相当低いものの、メニュー画面でごくまれにフリルがくしゃみをすることがある。当然サウンドテストでもお構いなし。本来ならば聞けたらラッキーで済むサプライズ演出となるはずだが、これらの妙な仕様ではまず基礎をしっかり作ってよ、と言いたくなる。 スタッフロール最後の著作権表記に使用されている文章画像がまともにトリミングされておらず、汚く見える。 GCに合わせた画素数に拡大した際の比率が合っていないのか、さらには透過処理させるつもりの文字周りが透けずに表示されているようだ。 一方でタイトル画面のロゴだけはGCグラフィック相当の綺麗なもの。64ソフトとして開発していたときのロゴと差し替えたのだろうか。 ルール説明で特定のフリルのセリフが繰り返し表示されることがある。 正確にはメッセージ欄1枚で収まらないセリフを2枚に分け、1枚目と2枚目をループ表示させている。ボタンを押し進めていないのにえんえん同じメッセージだけ繰り返されるのはかなり違和感がある。 吹き出し状のメッセージ欄もフリルの動きに合わせて上下に激しく動いており、単純に読みづらい。 ポケモンパズルリーグに起因する不具合と仕様 VS COMでセーブをした後再開すると1ゲームオーバー扱い。このためノーコンティニュークリアを目指す場合は一切中断できず面倒なことに。 ポケモンパズルリーグには逆のバグがある。ゲームオーバーになってもその場ですぐコンティニューせずに一度メニューへ抜けてから再開すると、ゲームオーバー数がカウントされない。このバグを修正しようとしたのだろうが、結果的に今度は新たなバグを生むという事態になった。 ただ、本作ではゲームオーバーの有無によるストーリー等の変化はないため、ノーコンティニュークリアはただの自己満足要素である。 プレイヤーごとにハイスコアや最高連鎖・同時消し数の記録がされるのはいいのだが、VS COMやステージクリアの進行状況はベスト記録ではなく直近の状況が記録される。 折角ゲームオーバーにならずラスボスを倒したとしても、次プレイ時にセーブをすると記録が上書きされてしまい最初から。ゲストや別のプレイヤーファイルでプレイすれば完全に防げるが、そうなると最高連鎖・同時消し数が記録されないというジレンマ。 スコア表示が6桁固定。 他機種では5桁固定または5桁と6桁の任意切り替え。エンドレスではカウンターストップの時間を競う遊び方もあり、他機種では到達時間が記録されるものもある。 本作では6桁固定で5桁への切り替えもできないため、そもそもカンスト自体が難しい。 ゲームフィールド周り、特にパネルがぼやけて見える。 これはドットが横長のSFCと同じ画面比率を再現するために正方画素で描いたパネルの絵を横に引き伸ばしたことによるもので、れっきとした仕様である。描き直しをせずGCへそのまま移植したため引き伸ばしの粗がやや目立つ。 他機種より改善されなかった点・劣化した点など ゲームモードごと別にあったエンディングが削減。VS COMのストーリー分岐も廃止。 これらはSFC版で好評だったごほうび要素のひとつである。「カウンターストップで終わったなら…」「ほかのゲームモードをクリアしたら…」「主人公をゲームオーバーにさせなかったら…」と、プレイヤーのモチベーション維持に繋がっていた。それが特に理由もなくばっさり削減されてしまった。 SFCでは重複を除くとエンドレス3万点以上、エンドレス99999点カンスト、ステージクリア、パズル、VSでそれぞれ異なるBGMのエンディングが見られた。エンディングで流れるスタッフロールも表示の演出に変化があったり、スタッフ名の表記が漢字混じり、もしくはかな表記だけだったりと、趣向が変えられている。 一方GCではエンディングが1つだけしかない。つまりどのゲームモードをどうクリアしようが見られるエンディングは同じ。特定条件でBGMがほかのもう一方に変わるのみ。 一応パズルモードではパズル問題作成スタッフの紹介エンディングがある。BGMは通常エンディングの使い回しだが。 GB版でさえBGMは使いまわしながらゲームモードごと別演出のスタッフロールが用意されていたので、容量と表現に制約のあった先行機種よりもバリエーションは少ないことになる。 相変わらず改善されていないキャラクターの選択制限。 1人用のエンドレスとスコアアタックではゲーム開始前に選択したキャラクターによってそれぞれ異なる固有の背景+BGMでゲームがプレイできる。SFCでは6人の妖精からしか選べなかったので、ほかの妖精や敵キャラクターでもプレイしたいという要望が多かった。 データ容量という制約はなくなったはずなのに、GC版でもこの制限はなぜか続投。ランダムで変わるメニュー画面の壁紙ではカタツムリ(?)、ペンギン、ラッコなど、選択できない残りの妖精のお供らしいキャラクターの姿を見ることができるものの、彼らの出番はこの壁紙以外にはない。 魔王サナトスの1人用画面はステージクリアのスペシャルステージ用として存在するのだが、SFCと同様にエンドレスとスコアアタックではやはり選べない。 ただし、ポケモンパズルリーグではスタジアムの背景1種で固定、BGMはランダムで選択もできないため、一応これでも修正された方。 2人用や多人数プレイでも選択できないキャラクターがいる。ラスボスの魔女おばば3人組は隠しコマンド等でも開放されないため、プレイヤーが使うことはできない。他作品ではコマンド入力で全員選択できるようになるのだが。 VS.COMのクジラのジルバ戦で見られた一枚絵の背景も使えない。 ポケモンパズルリーグではラスボスのミュウツー クローンポケモン戦で一枚絵の背景が使われており、こちらは隠しコマンドで使用することができた。 まともなフリー対戦ができない。 オプションのCPUスイッチをONにすると1P・2P両方ともコンピュータの操作となる。 同様のオプション機能が用意されているヨッシーのパネポンSFC版やポケモンパズルリーグでは2PのみCPU操作にできるので、2人用ゲームでコンピュータ相手にフリー対戦をすることができた。本作ではどういうわけか、ただコンピュータ同士の対戦を見るだけの機能にされている。なぜ変えた? 一応4人対戦モードでフリー対戦はできる。ただし後述の変則ルールになるうえ、小さな画面でプレイしなければならない。 その他 4人対戦モードのおじゃまパネル変則ルール おじゃまパネル対戦では「同時消しをした場合はそのパネルの色、連鎖をした場合は最後に消したパネルの色と同じゲームフィールドのプレイヤーへ おじゃまパネルが降る」変則ルールが設けられている。プレイヤー1の場合、水色▲のパネルを消してしまうと、自分で作った おじゃまパネルが自分のフィールドに降ってくる。 このルールはオプション等で変更することはできず、消すパネルの色を気にしながらプレイしなければならないため、自爆やミスの原因になり大不評。パーティプレイ向けの逆転要素なのだろうが、ガチ勢にとっては蛇足でしかない。 後の『パネルでポンDS』では他プレイヤーすべてにおじゃまパネルが降るよう変更された。 総評(パネポン) 海外版における海外チームの原作への理解の欠如ゆえの粗をローカライズで修正しきれなかったこと。この1点が本作の大きな問題点である。 時代に見合った進歩は見られるものの、原作となるSFC版や日本未発売の他機種で好評だった要素は改悪、改善すべき点はそのまま放置、バグや不可解な仕様設定による欠点も増えるなど、せっかくの新要素や改善点を打ち消してしまっている。このためSFC版の完全な代替作としては全く機能していないと言っていい。 ただでさえ国内での正式な続編展開が望めずに来ていた作品だっただけに、せめて流用開発に頼らず国内の開発スタッフに任せていれば…と思わざるを得ない作品になってしまった。
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真・女神転生トレーディングカード カードサマナー 【しん めがみてんせいとれーでぃんぐかーど かーどさまなー】 ジャンル カードゲーム 対応機種 ゲームボーイカラー(専用) 発売元 エンターブレイン 発売日 2001年7月27日 定価 5,200円 判定 なし ポイント 真・女神転生トレーディングカードのゲーム版 女神転生シリーズ 概要 特徴 評価点 問題点 総評 概要 当時エンターブレインから発売されていた「真・女神転生トレーディングカード」をベースにした、GBCのカードゲーム。 元のカードゲーム(以下TCG版)は、MTG的な要素と女神転生らしさが両立していて魅力的な一方で、管理すべき情報量が多く、コアユーザー向けのものだった。 本作は、GBCという環境と対象年齢を考慮してか、全体的に簡略化されている。 特徴 ルール 1対1のオーソドックスカードバトル。プレイヤーは20ポイントのHPを持つデビルサマナー(悪魔召喚師)となり、60枚のカードで構成されるデッキを用いて相手のHPを0にすれば勝利となる。 本作独自の要素として、30枚のデッキによるハーフバトルも存在する。また、通常1種類3枚までデッキに入れられるカードを1種類1枚にしたハイランダー戦、ライフを先に0にした方が勝つ特殊なバトルなどもある。 カードの種類 仲魔カードとアイテムカードの二種類が存在する。 仲魔カードは、いわゆる「クリ―チャー」。場に召喚し、戦闘させることが出来る。 通常仲魔と合体仲魔の二種類に分かれていて、合体仲魔は召喚する際に規定数の仲魔を生贄にしないと召喚できない。 特技を持つものも存在するが、TCG版とは異なり1体につき最大1つまでとなっている。特技継承も仕様削除されている。 アイテムカードは、いわゆるサポートカード。直接ダメージを与えたり回復したりカードを引いたりできる。 本作では全て1回限りの消耗品である。 TCG版にあったパートナーカードと魔法カードは削除された。 MAG 全てのカードにはコストに当たる「MAG(マグネタイト)」が設定されていて、これを消費することで仲魔の召喚やスキルの使用、アイテムの使用が出来る。 MAGは、ターン初めに場の仲魔に応じて獲得できる。その際、獲得量が4未満なら4に変換される。 TCG版では属性ごとに細分化されていたものが一まとめになった。また、ターンをまたいで持ち越したり相手のターンに使用することが出来なくなっている。 属性の概念 真・女神転生にあった「LIGHT・NEUTRAL・DARK」と「LAW・NEUTRAL・CHAOS」の2軸属性が取り入れられており、全ての仲魔はそれぞれいずれかの属性を持っている。 本作ではデッキにも属性を設定できる。場の仲魔のMAG獲得量に影響するので、デッキ内のカードと合った属性にすることが重要となる。 ストーリーモード 1人プレイはストーリーモードで遊べる。 カードゲームにありがちな、良く言えば王道なストーリー展開となっている。 評価点 メガテンのカードゲームが遊べる点。 TCG版はコアなファンがいるものの、本作発売の時点で既にニッチなカードゲームだった。一人でもそれなりに楽しめる本作はファンにとって貴重なアイテムだったといえる。 TCG版のシリーズ販売が終了してから10年以上たった現在では、実際にカードを揃えるのも対戦相手を探すのも尚更難しい。こちらを買った方がはるかに楽。 本家よりも大分簡略化されているものの、キャラゲーとしてはソコソコ楽しめる出来である。 シンプルゆえに取っ付きやすいゲーム性。 MTGベースなので、何かしらのカードゲームをやったことのある人間ならば、すんなりとプレイ出来る。 レアカードの蒐集要素が整っている。 メガテンの強力な悪魔等がレアカードになっているのだが、難しすぎずヌルすぎずといった感じで集められる。 カードを合体させて別のカードにする機能があるため、ダブった要らないカードを処理しやすいのもポイント。 一部の強力なカードは1データにつき1枚しか手に入らない仕様となっている。 問題点 特定のCPUと対戦した後にカードデータが一部消失するという重大なバグがある。通称「マンドレイクバグ」。 条件を満たしても100%発生するわけではないが、ゲーム進行上知らないと遭遇する確率は高い。 主人公の歩行速度が遅い。 キャラのドット絵が会話ウィンドウのものとかけ離れている。一部キャラは色もあっておらず、完全に別人状態。 ゲームバランスが、あまり良くない。 バランスの良いカードゲームの方が稀だが、それにしても本作は練り込み不足な点が多い。ストーリープレイ中ならばそれほど問題ないものの、ある程度カードを揃えてゲームの全体像が見えてくると粗が目立ってくる。主な要因としては以下のものが挙げられる。 コスト5以上のカードの使い勝手の悪さ 仕様上、MAGを5以上得るにはターンの初めに複数の仲魔が召喚済みでなければならない。しかし、仲魔は戦闘や生贄、相手のアイテムや特技等で失われることが多く、安定して5以上のMAGを得る環境を維持するのは結構難しい。 コスト相応に効果も強力なものが多いので逆転を狙う際に使いたいが、そういった場面ではコスト不足で使えないのも問題。 このゲームで追い込まれている時は、たいてい場の仲魔がやられまくった状態である。当然、5MAG以上も出せる状況ではない。 先攻絶対有利 上で述べたことにもかかわってくるが、先攻側は開始1ターン目に複数仲魔を召喚して5MAG以上を狙う戦略が使える。4MAG以下で複数の敵悪魔を処分できるカードは限られるので、後攻側の対処法は限られる。これだけでも先攻側は圧倒的に有利である。 ニュートラル優遇 ここまで読めば、場に大量展開できる低コスト悪魔が重要なのは想像に難くないと思うが、そういったカードの多くがNEUTRAL属性に固まっている。 特にNN属性(*1)には、「御魂シリーズ(コスト0MAGで優秀な特技を持つ)」を筆頭に数が多い。「デッキ属性NN+NNの0MAG仲魔+低コストの合体仲魔」という仲魔構成が最安定と言われるほど。 強力過ぎる一部カード カードゲームの華であり罪でもある強過ぎなカードが本作にも何枚か存在する。 + 強カードリスト ※カッコ内の数字は必要コスト。 御魂 サキミタマ(0)、アラミタマ(0) 先に述べた御魂シリーズの中の2体だが、かたや生贄+1MAGで2枚ドロー、かたや自爆して対象に2ダメージと、コスト0MAG悪魔でも一二を争うほど強力。 魔獣 オルトロス(4) コスト4MAGだが、AP(攻撃力)/HP(耐久力)が4/4と、2身合体悪魔と同等のスペックを持つ通常悪魔。特技のせいで生贄に出来ないが、する必要はない。 ネクロノミコン(2)、ルルイエいほん(4) ライフを5点失う代わりに相手の悪魔にダメージを与えるアイテム。MAGコストが軽く、使いやすい。特にルルイエいほんは敵全員に3ダメージを与えられるため、先攻1ターン目に低コスト悪魔を大量に並べた相手への数少ない対抗策の一つ。 総評 メガテンのカードゲームという事で希少価値はあるものの、ゲーム性には少々難があると言わざるを得ない。 とはいえ、1人プレイならソコソコ楽しめる程度には練られているため、それでも充分な人には問題ないレベルである。
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アルファベット順 Captain Tsubasa Rise of New Champions - 日本販売版の製品名は「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPION」。「ジュニアユース ワールドチャレンジ」 五十音順 キャプテン翼J 全国制覇への挑戦 - 「小学生編」 キャプテン翼J THE WAY TO WORLD YOUTH - 「キャプテン翼J」作品世界全般 キャプテン翼J GET IN THE TOMORROW - 「対西ドイツジュニアユース戦」、「対タイユース戦」、「世界選抜戦」 キャプテン翼(2006年版) - 「中学生編」、「Jr.ユース編」、「対錦ヶ丘中戦」 キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS - 欧米販売版の製品名は「Captain Tsubasa Rise of New Champions」。「ジュニアユース ワールドチャレンジ」 キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS攻略Wiki【PS4・Switch】(Gamerch) キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS(ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~) 【キャプ翼RONC】攻略情報トップ【キャプテン翼RISE OF NEW CHAMPIONS】(黄金世代の鼓動) 数字順(ゲームタイトルが数字から始まる製品) 「スポーツ(サッカー、フットサル)」 へ戻る 「ゲームソフト攻略サイト まとめwiki」TOP へ戻る
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パペッティア 【ぱぺってぃあ】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発元 SCEジャパンスタジオ 発売日 2013年9月5日 定価 ディスク版 5,980円ダウンロード版 4,900円(共に税込) 判定 良作 SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 あらすじ 特徴・評価点 システム 世界観・演出 キャラクター オマケ・やり込み要素 難点 総評 その他 概要 劇場をモチーフとした独特な世界観のアクションゲーム。 ゲーム自体は比較的オーソドックスな2Dアクションだが、劇場を意識した作り込まれた舞台演出と、小ネタ満載の物語が特徴。 あらすじ 月の女神に可愛がられていたリトルベアはある日突然、女神の『ムーンストーン』と魔法のはさみ『カリバス』を強奪し反乱、ムーンベアキングと名乗り女神を撃退する。 そして、ムーンベアキングが王位を簒奪して以後、月は闇の世界へと変貌を遂げてしまう。 それから3年、ムーンベアキングは地球から子供の魂を攫っては自身の部下である闇の軍勢へと変えていた。 主人公クウタロウは同じように地球から攫われ、魂を人形に入れられた上、頭をもぎ取られてしまう。 どうしようもないクウタロウは『カリバス』と『ムーンストーン』を狙う月の魔女に拾われ、彼女の手引きで『カリバス』を盗み出す。 そしてその際、ムーンベアキングに捕らわれていた太陽の妖精ピカリナを助け出したクウタロウは地球へ帰るため、彼女とともに打倒ムーンベアキングの冒険へ旅立つのであった。 特徴・評価点 システム 本作のアクションは、聖なるはさみ『カリバス』を使ったカットアクションが特徴となっている。 ステージ内にはカットすることができるモノが多数配置されており、これらを切ることで進んでいく。 ジャンプ中にカリバスを使うと「エアカット」となり一時的に浮遊することができ、また何かを切り続けている限り飛び続けられる。 後半のステージではほとんどこれのみで進行する構成のステージも存在する。 また、「レールカット」という、縫い目のような点線に沿って自動で切り進むアクションもある。 次いで特徴的なのが、『ヘッド』。 本来のヘッドを失ったクウタロウは、冒険の最中様々なヘッドを入手し自分の頭として使っていくことになる。 新たなヘッドは、ステージ内の特定の場所を調べたり、イベントなどの際に入手できる。また、ステージ内に浮遊する「ヘッドポット」からはすでに入手したことのあるヘッドをランダムで入手できる。 ヘッドの数は100に上り、収集要素としての側面も持っている。 ヘッドごとに違う能力が備わっているということはないが、それぞれ固有のヘッドアクションがあり、特定の場所で特定のヘッドのアクションを行うことで、様々なギミックが発動する。 ボーナスステージへ行く、大量のムンピー(マリオのコインのようなもの)を入手できる、別ルートやショートカットの出現、ボス戦で楽ができる等々。 ヘッドは3つまでストックでき、ストック3つの状態で新たなヘッドに触れると、その段階で装備していたヘッドに上書きされる。 アクションポイントで必要なヘッドを潰してしまうこともあるので、ヘッドを取るか、取るなら何を潰すか等状況によって取捨選択をしていくことも大事。 とはいってもアクションできなかったからと言って重大な問題が生じるわけでもないが。 ダメージを受けるとヘッドは体から飛んで行ってしまい、3秒以内に拾えないと失ってしまう。穴に落ちたりしても1つ失ってしまう。ヘッドが1つもない状態になると1ミスとなる。 この仕様のためライフを失うことはあまりない。そのライフも初期値が多めな上、普通にプレイしているとみるみる増えていく。もっともそれ故ヌルゲーというわけではなく、それだけダメージを受ける機会が多いとも言える。 ヘッドには付け替えていくものの他に、ストーリー進行で入手する「ヒーローヘッド」という特殊なものもある。 攻略上重要なアクションが行えるようになるもので、全てで4つあり、ヘッド交換の必要がなくいつでも使えるものである。 ゲーム中ではクウタロウ以外にサポートキャラも操作することになる。最序盤のみ猫のインヤン、以降は太陽の妖精ピカリナとなる。 サポートキャラは無敵かつ画面内を縦横無尽に飛ぶことができ、ステージ内に多数仕込まれているギミックを捜索する役目を担う。 2Pプレイの場合、2Pがサポートキャラを操作することになる。1Pプレイ時は画面内の捜索程度しかできないが、2Pプレイ時は、敵への攻撃やヘッドの回収、障害物の排除など行えることが大幅に増加する。 これにより、2Pプレイでは大幅に難易度が低下する。しかし、仕込まれたギミックの多さから、あれやこれやと二人でワイワイ盛り上がりながら進めるという、1Pプレイとは少々趣の違ったプレイができる。 また、2Pのやれることが多いため、メインとサポートという形態ながら、2Pが暇になることは少ない。 ちなみに、サポート以外にもクウタロウからヘッドをもぎ取ったり、回収したヘッドを投げ捨てたりと、一種の妨害も可能。 顔が見える距離だから面白いが顔が見えないと感じが悪すぎるという理由でオンラインプレイは断念された。 ボス戦では、とどめの際などにQTEが挿入される。あまり良い印象を持たれないQTEだが、ネガティブな面を極力抑える努力がなされている。 失敗するとダメージ判定となるが、ボタンが表示されるとスローになるため意外と余裕があり、その時間制限も分かるようになっているなど、取り立てて厳しいものではない。 また、唐突にQTEイベントが始まるのではなく、プレイヤーのタイミングでイベントを開始させるようになっている。 また、QTEイベントではクウタロウとボスのダイナミックな立ち回りが繰り広げられており、没入間を高め飽きさせないものになっている。 難易度設定はなく、1Pプレイではそこそこ歯ごたえのあるアクションゲームとなる。 上述の通り2Pプレイでは難易度は優しくなる。 SCEファーストタイトルなので3Dテレビ・PSmoveにも対応している。 舞台劇(下記参照)という設定で、且つムービーやカットシーンでダイナミックに動きまくる本作は、3D表示と抜群にマッチしている。 PSmoveも同様で、ピカリナの操作とmoveとの親和性は非常に高い。 世界観・演出 本作は劇場をモチーフとしており、ゲームの物語自体が劇場で公演されている演劇であるという設定である。登場キャラクターも演劇に出演している演者であり、メタ的な発言も多い。 タイトル画面ではナレーションによる劇場案内や諸注意が流れる。何パターンかあり、放置しているといろいろ聞ける。 また、ステージセレクト画面でも、放置しているとナレーションによるガイダンスや出演を待つ舞台裏のキャラクター達の会話が流れる。こちらは5分程度放置している必要があり、普通にやっていたら恐らく気付かない。 後でもう少し詳細に語るヘッドストーリーでは、劇中の役ではなく演者としての設定が語られる楽屋ネタも多い。 物語上では相当数の小ネタが仕込まれており、「私の魂の名前がそんな俗っぽいはずがない」「わふー!」「ビックウェーブに!」といったパロディネタも豊富。 中にはディ○ニーを意図したようなかなり危ないものもある。 演出面でも劇場は強く意識されており、画面は常に観客席から舞台を見る視点で固定されている。 2Dアクションだがスクロールはせず、舞台装置が転換してステージが進んでいく。 ムービーシーンでも舞台装置の転換によりアングル変更が行われる。 ライティングなどの演出や紙吹雪などで表現される効果などは本物の舞台を参考にしており、リアリティがある。また、舞台上のセットはあえて作り物としての手作り感が意識されて表現されている。 ムービーシーンでは、個々のリアリティは維持しつつ、ゲームならではの現実ではあり得ないダイナミックな動きをする舞台装置も見られる。 転換して新たなセットが登場する際は、全ての小道具がちゃんとそれぞれ揺れ動いており、細かなところまで作り込まれているのがよく分かる。こういう細かいところに注視してプレイしてみるのも面白いかもしれない。 作中では狂言回しのナレーションの他、要所要所では観客からの歓声や笑い声も入り、本当に劇場で劇を見ているような没入間を味わえる。 ステージ開始と終了時、またはステージ中にムービーが挟まれるのだが、このムービーは大作IPや大作CGアニメも真っ青なくらい、とにかく洒落にならないほど動きまくる。そのクオリティは何度見ても飽きないほどにずば抜けて高い。 使用されているBGMは、「メリダとおそろしの森」や「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」等を手掛けた作曲家、パトリック・ドイルによるもので、捨てる曲が全くないほどの名曲揃いである。 サウンドトラックを望む声も多いが、残念ながら2017年現在未だ発売されていない。 ストーリー自体は月を舞台としたファンタジーである。 本作における月は生命溢れる世界であり、森や海、荒野や町など様々なステージを進むことになる。ロボットや工場、宇宙のようなSF色の強いステージもある。 ちなみに、コメディ的な演出や満載の小ネタからコミカルな作品だが、世界観の本質はダークファンタジー寄り。冷静に見てみると実はエグイ描写も多い。 お笑い要素もブラックジョークは少なくない。 キャラクター 本作は各キャラクターもよく作られており、個性豊かな面々がひしめいている。 本作を語るうえで欠かせないのは、劇場支配人で本作の案内人としてナレーションを務める、藤原啓治演じるミスターGだろう。 ストーリー進行に伴う物語の語りの他にも、ギミックやステージに関連はしていても物語的にはどうでもいいことを語り始めることも多い。むしろそちらの方が熱が入り、おかしなテンションになっていることもある。 ボーナスステージでは特に顕著である。おかしな語りに耳を貸しすぎてタイムアップなんてこともある。 狂言回しの域を超えて劇中へツッコむことも。 ちなみに、本作は海外版が先に収録されており、そちらではダンディな感じだったらしいのだが、日本語では同じ雰囲気ではイメージに合わなかったため、藤原啓治が起用され軽薄さもあるキャラクターとなったとのこと。 もう一人欠かせないのが、クウタロウのサポートキャラクターとして冒険に随伴する、松岡由貴が演じるピカリナ。 関西弁で話し、ギミックを動かしたりして画面内に動きがあるとことあるごとによく喋り、よくツッコむ。 ナレーションにツッコんだり言い合いをしたりと、最もメタ的な発言の多いキャラでもあり、プレイヤーの間ではカワイイと評判。 ちなみに声優の松岡由貴は関西出身である。 この二人が特に凄まじくセリフ量が多いが、他のキャラクターもステージ中なにかと喋る。 月の魔女エズマー・ポッツ、魔女の飼い猫インヤン、ムーンベアキング、その部下の12人の将軍、その他ステージ毎の脇役などキャラ数は地味に多いがそれぞれしっかりキャラ立ちしている。 特に月の魔女はチュートリアルの度にコスプレする等いちいち芸が細かい。チュートリアル中にR2で触ったり攻撃したりすると、専用のリアクションを取ってプレイヤーを大笑いさせてくれる。 他に特徴的なキャラクターなのが、雑魚敵である「デク」。蒸気機関にあくせく石炭をくべたり、クウタロウを攻撃するための仕掛けに自分が巻き込まれたり、タコの人形に頬ずりしたり、自分が作った雪玉に巻き込まれて転がったりと、画面の何気ない部分でコミカル且つ微笑ましい動きをし、プレイヤーを和ませてくれる。 ちなみに、主人公クウタロウは本来のヘッドを失い、様々なヘッドを代用しながら進んでいくため、一切セリフはない。 ただし、コミカルに動き回り感情を豊かに表現しているため、個性的な面々に囲まれながらも埋もれてしまってはいない。 参加している声優は実力派の方々で、その演技も演劇的なものになっている。 オマケ・やり込み要素 ステージ開始時には、回収したヘッドの数、助けた子供の魂の数、ボーナスステージの発見およびクリアについてが表示される。 上述の通りヘッドは100種類あり、ヘッドコレクションで入手したヘッドを閲覧することができる。 ここではヘッドストーリーという、各ヘッドにまつわるちょっとした話を読むことができる。 キャラの裏話や楽屋ネタ、月の生物の変な生態等々、全体的にネタに満ちたくだらなくも面白い話が並んでいる。 しかるべき場所でヘッドアクションをしたかどうかも表示されており、集めるだけでなく実際に使用するというやり込みもある。 入手できていないヘッドについては、ここで入手法についてのヒントを見ることができる。 子供の魂は、ザコ敵のデクや中ボス的な存在のボロには子供の魂が詰め込まれており、これらからすべての魂を開放できたかどうかというものである。 ボスであるボロはともかく、ザコであるデクは分かりづらい場所にいたり、ギミックをしっかり発動させていく必要があったりと見落とすことも多い。 また、攻撃した反動でうっかり穴などに落としてしまうと魂の開放ができなくなってしまうため、足場が悪い場所では上手いこと攻撃する必要がある。 発見したボーナスステージがプレイできるボーナスチャレンジもある。 ストーリー上では発見したもののクリアできなかったものも、こちらでクリアできればクリア扱いとなる。 ボーナス内でヘッドアクションがあるステージも多いが、ボーナスチャレンジでは必要なヘッドを装備した状態で開始でき、加えてヘッドアクションもこちらで初発動でもしっかり登録される。 「絵本」というキャラクターのバックストーリーが読めるオマケ要素もある。各章クリア後に追加されていく。 全編が藤原の朗読である。男も女も問わず藤原が様々な声色で演じている。故に若干シュールな場面も。 しかし、内容自体は全体的にシリアスな雰囲気のお話である。 難点 ムービーは多め。プレイヤーが操作できないパートは比較的多く挿入される。 画面が固定のため没入していると違和感も少ないが、テンポを崩していると感じる人もいるだろう。 また、やり直しの際などは特に煩わしさを感じることがある。 一応細かくスキップすることができる。 ヘッドは数が多いが、結局のところ収集要素でしかなくなっている面が強い。 ゲーム自体はオーソドックスな2Dアクション。 綺麗なグラフィックと独特の演出でそこに留まらない作品となっているが、ゲームプレイ自体は、良くも悪くも無難。 ボス戦も演出はバリエーション豊かで大いに楽しませてくれるが、プレイヤーがやること自体に大した差はない。 世界観に入り込めなかったりアクション優先だと、飽きが早いかもしれない。 敵の少なさ。 上述の通り、主にザコ敵はデクのみであり、その上ステージによってはろくに出てこない。 敵と戦うことに重きがある作品ではないが、その面でのバリエーションの乏しさは目につく。 一応狂暴化した動物といったものもでてくるが、1Pプレイでは避けるしかない障害物であることが主。 ゲーム内で示されるやり込み要素は1Pプレイでも問題なく埋められるが、トロフィーとなると2Pプレイヤーが条件となるものもあり、一人でやり込むと面倒くさい。 一度エンディングを見た後に入手可能になるヘッドのヘッドアクションでサポートキャラを2P仕様にすることができ、それでトロフィー回収もできるので、コントローラーを2つ用意する必要はない。ただし、そのヘッドを装備し続ける必要があり、また一度紛失すると取り直すのが面倒なのでやり辛さは残る。 総評 劇場をモチーフとした今までに類を見なかったゲームデザインが最大の特徴で、その表現・作り込みに対して尽きる事のないスタッフの愛が感じられる作品。 その完成度は極めて高く、ストーリー・BGM・グラフィック・アクション性・ゲームバランス・キャラクター・設定、更にはネイティブフルハイビジョン対応・高く安定したフレームレート・皆無に近い不具合・3D立体視対応・PSmove対応と殆ど非の打ちどころが無い。 あなたがこの世界観にのめり込めるなら、そのプレイ体験は素晴らしいものになるだろう。さぁあなたも魔法劇場へ!! その他 PSNでは体験版の他にリハーサル版というものも配信されている。 これは、「本番(製品)」に向けて準備中のステージやキャラクターを見ることができるというもので、専用のボイス・演出などを伴って進行する特殊なものである。 制作側はプレイできるトレイラーのようなものと表現していた。 これをベースに以下のようなものも制作されている。 2013年8月30日にニコニコ生放送で放送された「電人☆ゲッチャ!」にてこれの為のみ「高橋名人ヘッド」が製作された。 専用のヘッドアクションもある他、ボイスもこれ用に撮り下ろしている謎の力の入れようであった。 期間限定で一時的に、名人仕様のリハーサル版が配信されていた。 2013年11月8日に同じくニコニコ生放送で放送された「NGC『SIREN』10周年記念特別生放送」では、『SIREN』シリーズ10周年を記念して制作された「SIREN 10周年記念バージョン」が公開された。 SIRENの主人公須田恭也のヘッドや屍人のビジュアルのザコ敵などが用意された。ヘッドアクションももちろん完備。 元々身内で行われた記念イベント用に制作されたもののため、声はさすがにキャスト本人ではないが、専用のセリフも用意されており、SIRENファンがニヤリとできる要素も。 こちらは、SIRENシリーズの制作に関わったスタッフが、今作にも多く携わっていることから実現したものである。 配信を望む声も多いが、音沙汰はない。
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「検証依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「Switch版の相違点の追記」です。 本項は初出のPS5/XSX/Win版をメインに、後発のPS4/One版とSwitch版も併せて解説しています。 ホグワーツ・レガシー 【ほぐわーつ・れがしー】 ジャンル アクションRPG 対応機種 プレイステーション5Xbox Series X/S (ダウンロード専売)Windows(Steam/Epic Games Store)プレイステーション4Xbox One(ダウンロード専売)Nintendo Switch 発売元 【Switch版以外】Warner Bros. Games(Portkey Games)【Switch版】セガ 開発元 Avalanche Software 発売日 【PS5/XSX/Win】2023年2月10日【PS4/One】2023年5月3日【Switch】2023年11月14日 定価 【PS5/XSX】9,878円【PS4/One/Win】8,778円(全て税込)【Switch】7,980円 プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ポイント 『ハリー・ポッター』の世界が舞台のオリジナルストーリー魔法界をオープンワールドで完全再現原作のキャラクターなどは一切登場せず取り返しのつかない要素・バグや不具合が多め ハリー・ポッターシリーズ 概要 ストーリー システム・特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 J.K.ローリング作の大人気ファンタジー小説(及びそれを基にした映画)『ハリー・ポッター』シリーズの世界観・設定をベースにしたオープンワールドRPG。 原作の約100年前となる1890年代を舞台にしており、ストーリーもオリジナルとなる。 ストーリー 1890年。魔法界は後のヴォルデモート卿やゲラート・グリンデルバルドが暗躍する時代のように暗雲が立ち込めていた。過激派の小鬼(ゴブリン)を率いるランロクによる大規模なテロが勃発する中、ホグワーツの入学式に参加する主人公は魔法理論教授のエリエザー・フィグと共に魔法省高官のジョージ・オズリックが手配した馬車に乗車した。5年生からの途中入学は異例と語るジョージは、フィグの亡き妻のミリアムからおそらく高度な魔法がかけられた謎の箱を死に際に預かったことを伝える。主人公はジョージがどんな手を使っても開けられなかった箱の開け口が光っていることに気づく。しかしフィグとジョージにその光は見えない。そして主人公が箱を手に取った途端、開け口が自然に開き、中から鍵が現れる。そんな奇妙な現象を目の当たりにした一同は、背後から襲撃を仕掛けたドラゴンにジョージを喰い殺されるも、鍵がポート・キーになっていることに気づいた主人公とフィグは、辛うじて生き残った。だが、この襲撃は魔法界の運命を賭けた闘いの始まりに過ぎなかったのだった。 (日本語版Wikipediaより抜粋) システム・特徴 キャラクター 主人公はアバター型で、性別などは自由に設定可能。男女でストーリーに差はないが、原作設定を反映して男性にすると女子寮に入れないといった制限がかかる。 原作の約100年前ということもあり原作の人物は登場しない。その代わり、シリウス・ブラックの高祖父にあたるフィニアス・ナイジェラス・ブラックなど原作の人物の先祖や血縁にあたる人物が多数登場する。 例外として、年齢的な問題に縛られないゴースト達は原作の人物がそのまま本作でも登場する。 マップ 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ではホグワーツ内部を探索できたが、本作ではそれに加えホグズミード村や禁じられた森などの周辺地域も探索できる。煙突飛行粉を使ったファストトラベルも可能。 各地には地下洞窟や鉱山といったダンジョンも多数。敵やトラップも満載だがお宝が眠っていることも。いくつかの拠点には「悪名高い敵」と呼ばれるネームドエネミーもいる。 他にもムーンカーフやユニコーンといった魔法生物の巣があり、捕まえて飼育することも可能。素材が手に入ることもあり、後述の装備の強化で使用する。 中盤以降は箒やヒッポグリフに乗って空中から探索することも可能になる。探索効率が飛躍的に上昇するが、屋内やホグズミードでは乗れず高い山は越えられないといった制約がある。 必要の部屋 中盤に解禁される主人公の拠点。 詳細のわからない装備の鑑定や魔法薬の調合、魔法植物の栽培、捕まえた魔法生物の飼育といったゲームを進めるうえでの機能をほぼカバーでき、家具なども自由に配置できる。 装備 装備はメインウェポンとなる杖と服などの身体装備に分類される。装備によって外見も変化する。性能を変えずに外見だけ変更することも可能。 杖本体は最初に選んだもので固定。身体装備は手袋・帽子・メガネ・服・マント ローブ・靴の6種類。前者3種は攻撃力、後者3種は防御力に補正がかかる。 身体装備はスタンダード・上等・極上・非凡・伝説の5段階のレアリティがある。主人公のレベルに応じて入手時の性能が変化する。 中盤以降は魔法の織機で基本能力を上昇させるアップグレードとperkにあたる特性の付与が可能。 ただし、強化できるのはレアリティが極上以上のものに限られる。 杖は柄のカスタマイズが可能(性能は変わらない)。 魔法 原作(および映画)に登場する数10種類に及ぶ呪文が使用可能。基本はパレットにセットして使用する。 作品の性格上、戦闘時と非戦闘時とも使用制限はほとんどなく、一部を除きどちらの局面でも使用可能。効果もゲーム向けにアレンジされているが、概ね原作通りとなっている。 魔法パレットは初期で1つ。後述の才能ポイントを使うことで最大4つ使用可能。 戦闘時はリキャストタイムがあり連発できないが、非戦闘時はすべての呪文でリキャストタイムがなく連発が可能。 習得は「先生や友達に教えてもらう」といった原作ならではの形式となっている。なお習得はシナリオ進行に必須のもの以外は任意。 魔法には「制御」「強制」「攻撃」「万能」「許されざる呪文」「変身術」「必須」の7つのカテゴリがあり、戦闘では「どの敵にどのカテゴリ・呪文で弱点をつけるか」を考えるのも重要。 + 魔法一覧。長くなるので格納 制御魔法 主に対象の動きを止めたりする魔法。 アレスト・モメンタム 対象の動きを遅くする。 グレイシアス 対象を凍り付かせる。炎を消すことも可能。 レヴィオーソ 対象を一定時間浮遊させる。足場を浮遊させて高い場所に登るといった使い方もできる。 変身術(*1) 対象を別の姿に変化させる。 強制魔法 対象を動かす魔法。 アクシオ 対象を引き寄せる。通常のオブジェクトであればウィンガーディアム・レヴィオーサに派生可能。 デパルソ 対象を吹き飛ばす。 ディセンド 対象を地面にたたきつける。 フリペンド 対象を上向け(仰向け)にひっくり返す。 攻撃魔法 文字通り対象にダメージを与える呪文。戦闘でのメインダメージソースになるほか探索でも意外と使う。 インセンディオ 対象を燃やす。燭台に火をつけたり蜘蛛の巣を燃やしたりと探索でも出番が多い。射程が短いのが欠点。 ディフィンド 対象を切り裂く。 エクスペリアームス 敵の武器を手放させる。何も持っていない場合はダメージを与える。 ボンバーダ 爆発を発生させる。大きな岩はこれでないと壊せない。 コンフリンゴ 火球を飛ばして相手を燃やす。インセンディオより射程が長いが威力は劣る。 万能魔法 主に探索で使用する魔法。便宜上、魔法生物が対象の魔法もこのカテゴリに属する。 目くらましの術 姿を隠し、探知されにくくなる。 ルーモス 杖の先端に光を灯す。他の呪文を使ったり、もう一度使うと消える。 レパロ オブジェクトを修復する。ただし何でも修復できるわけではない。 ウィンガーディアム・レヴィオーサ 対象を浮遊させたまま移動させる。 動物の飼料/撫でブラシ 魔法生物の世話で使う。 捕獲袋 魔法生物を捕獲する。捕獲した魔法生物はアイテム扱いとなる。 変身術 必要の部屋のカスタマイズに使う魔法。それゆえ必要の部屋以外では使用不可能。 出現呪文 ムーンストーンを消費して家具などを出す。 変化呪文 家具などの色を変える。 エバネスコ 家具を消し、ムーンストーンに還元する。 許されざる呪文 使用禁止レベルの凶悪な魔法。それゆえ戦闘中のみ使用可能。 インペリオ 一時的に敵を操り、同士討ちさせる。 クルーシオ 敵にスリップダメージを与え、同時に呪い状態にさせる。 アバダ・ケダブラ もはや説明不要、敵を即死させる。さすがにボスクラスは倒せない。 必須魔法 パレットにセットせず、固有のコマンド・状況で使用する魔法。 レベリオ 一定時間、周囲の敵や干渉可能なオブジェクトをハイライトする。感覚は『ASSASSIN S CREED ORIGINS』などのアニムスパルスに近い。 プロテゴ 自身の周囲に障壁を張る。持続時間が短く、防げない攻撃も存在する。 ステューピファイ プロテゴからの派生攻撃。一時的に敵をマヒさせる。 ペトリフィカス・トタルス 気づかれていない敵に即死級の大ダメージを与える。あくまでダメージなので、体力の高い敵は倒しきれないことも。 アロホモラ 鍵を開ける。この魔法のみ最大で3のレベルがあり、習得レベル以下の鍵しか開けられない。 基礎呪文 通常ショットにあたる呪文。威力が低いが通常・戦闘時双方で連射が可能な唯一の魔法。 古代魔術 戦闘中のみ使用可能な、主人公の必殺技の位置づけになる大技。 使用には敵の攻撃を当てることで貯まっていく古代魔術ゲージを1本消費する。ゲージは初期値が2本、最大で5本となる。 敵に雷を落としたり思い切り振り回して叩きつけるといった派手な効果が多い。 古代魔術の投てき こちらも戦闘中のみ使用可能。樽などのオブジェクトを敵にぶつける。 古代魔術ゲージは消費しない代わりに、周囲に投げられるものがないと使用できない。 才能 いわゆるスキル。レベルが上がるごとに入手できる才能ポイントを消費して、魔法の効果拡張や追加魔法パレットの解禁といった強化が可能。レベルに応じてより上位のスキルが解禁されていく。 評価点 自由な探索と原作再現 前述のようにオープンワールドで再現されたホグワーツと周辺の村々を自由に探索できる。 ホグワーツは原作の構造をほぼ完全再現。マップ無しでは一瞬で迷子になるレベルの複雑怪奇な構造に加え、動く階段など原作通りの仕掛けや謎解きも満載。 難易度も少し頭を捻ればクリアできるものから、本腰を入れて考えないと解けないようなものまで様々。 箒に乗ったり、魔法の授業を受けたり、クラスメイトと仲良くしたりと憧れの学園生活を送れる。原作ファンなら一度は夢見たホグワーツの学園生活を楽しめる。 選択次第では原作でも描写されていないハッフルパフの寮にも入れる。 昼間は多くの生徒が雑談に興じていたり魔法の練習に励む光景が見られる。夜も夜でゴースト達が思い思いに生活しており、探索していて飽きることがない。 自動で動く物や建物、映画でお馴染みの動く肖像画など魔法の世界の再現も評価される。 ホグズミードや禁じられた森、ホグズミード駅などホグワーツ以外のスポットも抜かりはない。 ホグズミードの店は概ね原作と同じだが、やはり店主が原作の人物の先祖だったりといった違いがあり、ファンなら原作と比較して楽しむのも一興。 前述のように箒やヒッポグリフに乗って空中探索も可能。基本的に屋外であれば使用に制限がほとんどないので、一部の謎解きを箒で強引にクリアしたり戦闘から逃げるといった芸当もできる。 他のオープンワールドのゲームと比べてもかなり広く、入れる建物も多い。 雰囲気ゲーとしては文句無しであり、発売前の時点でも「シリーズファンにとっては極論これだけでも買う価値がある」と言われていた サイドクエスト・人間関係クエスト クラスメイトの悩みや相談を聞いて助けたり、協力したり、または村の魔法使いの頼みを聞いたりと実に多種多彩。 動物や密猟者の討伐や洞窟・宝の探索、クラスメイトとゲームに対戦できる。 箒のレースは負けてもクリアしたことにできるため、レースゲームが苦手な人でもクリアできる。 多彩な立ち回りが楽しめる魔法戦闘 正面から魔法戦を挑むもよし、目くらましの術 ペトリフィカス・トタルスでアサシンばりのステルスキルを決めていくもよしとプレイヤー次第で様々な戦略がとれる。 ステルスで数を減らし、アバダ・ケダブラで強敵を仕留め、様々な魔法を駆使して敵を蹴散らしていけば気分は魔法使い。 マンドレイクなどの魔法植物や魔法薬など補助手段も豊富で、使いこなせればさらに楽になる。 魔法も組み合わせ次第で高いシナジーを発揮するものもあり、自分だけのオリジナルコンボを作る楽しみもある。アクシオで相手を引き寄せてからのインセンディオなどは鉄板ともいえるコンボ。 もちろんごり押しで突破するのもあり。敵の攻撃には明確な予備動作があり、すぐに回避モーションや防御呪文を使用すればノーダメージで突破できる。 また、防御や回避はこちらが攻撃モーション中であっても即座に発動させることができる。そのため、理不尽にダメージを喰らうことも少ない。 魔法での戦闘というかなりオリジナリティの高い部分も評価の1つである。 敵も魔法使いなので強力な呪文を撃ってきたり障壁を張ってこちらの魔法を弾いたりと一筋縄ではいかない。いかに相手の呪文を捌き、障壁を打ち破ってダメージを与えるかが腕の見せ所。 敵の障壁は色に応じた魔法でないと破れない。例えば紫色の障壁はアクシオなど強制系の呪文、黄色の障壁はグレイシアスなど制御系の呪文を当てることで打ち破れる。 一方で敵によって明確な弱点が設定されており、弱点を突くことで大ダメージを与えることも可能。例えば、魔法の発動中にエクスペリアームスで杖を手放させると術を制御できなくなって自滅する、といった具合。 最初は苦戦した敵も使う魔法を考えれば楽に勝てるようになるので、自身の上達も実感できる。 一部のクエストではNPCが同行して一緒に戦ってくれる。 AIもそこそこ優秀で、一部のイベントを除き基本はプレイヤーの行動に追従するので暴走されてフォローに回らされるといったことも少ない。 原作を壊さないキャラクター描写 ストーリーはオリジナルだが、総じて原作の雰囲気を壊さないように描写されており、原作既読者も違和感なく楽しめる。 原作で言及されていた「ゴブリンの反乱」という原作の下地に当たるエピソードの映像化という部分だけでも評価できる内容である。 主人公も(冒険好きでよく抜け出すものの)基本は人当たりの良い優等生なので嫌悪感も抱きにくい。 原作キャラの祖先などが登場して、ニヤリとできる部分も多い。 日本人読者には嬉しい日本人魔女と日本のクィディッチチームの「トヨハシ・テング」のことが出てきたり、楽しめる。 膨大な探索要素 コレクション要素として各地のスポット解説やエネミー図鑑などがあり、数も膨大。コンプするには文字通りホグワーツの裏の裏まで知り尽くす必要があり、やり込み要素としても充分。 メイン以外にも各地で様々なサブクエストがあり、報酬として新しい呪文を覚えられたりするので、こなしていけばより探索の幅が広がる。 服装もカッコイイ魔法使いの服装やホグワーツの制服から面白い格好など様々。 カッコ悪い服が嫌という人には服装だけ変更できる。 賛否両論点 原作のキャラクターは登場しない 前述のように原作の100年前を舞台にしているため、原作のキャラクターはほとんど登場しない。 例外は原作では肖像画として登場していた校長・フィニアス・ナイジェラス・ブラックとほとんど首無しニックや魔法史教授のカスバート・ビンズ、ピーブズといったゴーストぐらいである。 原作との辻褄合わせに縛られずゲームとしての自由度を担保できることや、原作に詳しくなくても楽しみやすいという利点とトレードオフではある。 だが、やはりハリー達と一緒に冒険したかったと思うのも人情だろう。もっとも、原作に準拠した『ハリー・ポッター』のゲームは既に何作も出ているが。 主人公 主人公は選択次第で歴史に名が残っておかしくない魔法使いであるが、その後の魔法史には関わらない。 ゲームオリジナル主人公にはよくあることではあるし、設定と照らし合わせて歴史の闇に葬られたなど、想像の余地を見ることもできるが。 ゲーム的な都合によるものではあるが、学校外にいる闇の魔法使いや小鬼達に対して明確に殺意を抱いて攻撃しているのも評価が分かれている。 アバダケダブラなど禁じられた呪文の使用は任意であり習得はプレイヤーの意思によるものだが、通常呪文の中にも燃やしたり相手を物に変化させて(*2)壊したりなど明らかに殺す気でやってる物がいくつかある。 勝利後のセリフも倒した相手を気遣う様な物はなく、年齢の割に覚悟が決まり過ぎており、特に「全部ランロクのせいだからね」というセリフは疑問符を浮かべやすい 同じく命を狙われていたハリーと比べ好戦的過ぎる(*3)。時代的に現代より殺伐としていたが故か。 問題点 取り返しのつかない要素が多め 近年のRPGとしては珍しく、取り返しのつかない要素が多い。 最初の寮の選択では、当然ながら自分が所属する寮以外には入れなくなるほか、所属寮によって発生するクエストが異なる。 その寮についても、(原作再現だが)女子は男子の部屋に入ることが可能だが、男子は女子の部屋に入ることができない(*4)。そのため、全部の部屋を回るなら必然的にキャラメイク時に女子を選択せざるを得なくなる。 さらに所属寮によって獲得できるトロフィー/実績が分けられているため、コンプリートするには最低4回プレイする必要がある。 才能ポイントは最大入手ポイントが36ポイントに対し覚えられる才能が48種となっているうえに後からの振り直しも不可なので、不要なものを慎重に見極めて切り捨てる必要がある。 選択次第ではNPCがいなくなってしまい魔法を習得できなくなるケースもある。 該当するのがアバダ・ケダブラなどの許されざる呪文。原作的には覚えないのが正しいのだが、覚えればゲームの難易度が下がるのが悩みどころ(*5)。 一部のダンジョンは1度限りで、クリアすると2度と入れなくなる。 文字通り取り返しのつかないアイテムがないのが救いではあるが。 そして2023年5月時点で周回プレイ系のシステムは実装されておらず、そのデータで回収できない要素を回収するには一からやり直すしかない。 マップが使いづらい 本作のマップは大きくホグワーツ、ホグズミード、それ以外のワールドマップに分かれているが、肝心のホグワーツとワールドマップが使いづらい。 ワールドマップはクォータービューのうえ回転ができず、死角になる部分の地形が確認しづらい。マーキングもできないため、気になった場所があっても忘れてしまいたどり着けないことも。 ホグワーツは回転や拡大・縮小はできるもののファストトラベルポイントなどの位置しか確認できず、内部の構造が全く分からないためポイントとの距離感も掴みづらい。 一見目的地のそばにあるように見えるポイントに飛んでも、大回りさせられて他のポイントの前を通る、ということも起こる。 さらに、任意の場所へのウェイポイント設定もできないので、クエストなどの目的地になっていない限り自力で探索して見つけ出す必要がある。 箒等の乗り物に乗ると道のナビゲーションが消えてしまう。下記のように乗り物での侵入制限があるため乗り物での最短ルートが分からない。 逆に各地にあるダンジョンではミニマップしか確認できず、全体が確認できない。 箒等の移動が制限される。 ダンジョン内やホグズミードなど、一部の区域では箒に乗れない。特にホグズミードは走る以外の高速移動がなく不便。 また、マップ南東部は徒歩で鉱山を突破する必要があり、箒では到達できない。 インベントリの少なさ 後述の金策にも直結するが、装備の所持上限が初期で20個とかなり少ない。そのため、ダンジョン探索を行うと事前に整理していてもあっという間に上限に達する。予備のインベントリもないので、自分が持っているものが全てとなる。 マップのマーリンの試練を一定数クリアするごとに上限が拡張できるが、それでも最大40個と少なめ。 アイテム売却制限による金策のしづらさ 本作で売れるアイテムは装備と捕まえた魔法生物のみ。序盤からコンスタントに入手できる素材や魔法薬は一切売却できないうえ、敵からのドロップや拾えるお金は雀の涙。 その一方でレシピの入手にはそれなりの金額が要求されるため、序盤~中盤は金欠にあえぐことになる。装備を売るにしても前述のインベントリの少なさとの相乗効果で頻繁な整理を要求される。 目くらましの術を覚えればお金が入った宝箱を開けられるが、それらも1度限り。そのため、中盤以降は密猟者も顔負けの魔法生物売却に手を染めることになる。 難易度によっては道具が大量に余る。魔法薬や魔法植物の売買の方が魔法使いらしいのに何故しないのか。 サイドクエスト「勝手なビジネス」で自分の店を持てるのだが、装備の売却金額が高いだけで道具が売却できるわけでもない。 バグ・不具合 この手のゲームでは恒例行事だが、バグ・不具合がかなり多い。 中にはアップデートによってクエスト進行が不可能になったものもある。 Win版の最適化不足 本作のWin版は、2023年基準でかなりの重量級。Denuvo DRMによる負荷の増加や、VRAMにパフォーマンスがかなり左右される。 特にNvidia系GPUでは影響が躊躇で、特定場面では比較的安価なRTX 3060 12GBモデルが、高価なRTX 3080 10GBのパフォーマンスを上回るほど。 AMDハードウェアのPS5/XSX向けに開発されたタイトルであるが故(*6)、全体的にRadeon系GPUに向けて最適化が行われており、近い性能のNvidia GPUとAMD GPU、(例 RTX 3070とRX 6700 XT)ではVRAMの影響もありAMDのほうが快適に動きやすい。 スペックにも寄るが、シェーダーキャッシュの問題故スタッターも結構な頻度で発生し、人によっては不快感を感じることも。 また、スペックが微妙に足りていないハードウェアで、PS4相当のGTX 750 Tiなどではfpsは安定して出ても画面の表示が崩壊してゲームにならないユーザーも多かった。 一部の問題は度重なるアップデートによって改善されてはいるが、それでも本作の高い要求スペックに注意は必要。 ハードウェア次第では、ゲームを起動する度に「シェーダーを準備中」というロード画面が1~2分ほど表示されてしまう。しかも「ハードのカタログスペックが高ければそうはならない」というわけでもないのが困りどころ(*7)。 原作再現できていない部分 上記のように全体としてはかなり原作の要素を再現していると言える作品ではあるが、再現できていない部分もありがっかりとしたという意見も聞かれる。 原作でもトップクラスに有名な呪文である「エクスペクトパトローナム」が使えないことは嘆くユーザーが多い。 パトローナムチャームが有効な魔法生物としてレシフォールドが存在しており、ディメンターが出せないにしてもそちらを出す事は可能だっただろう。 原作では多くの恋愛要素があったため、恋愛要素も期待されたがそれもない。 今の時代、恋愛要素はLGBTなどの観点で難しいのかもしれないが…。 魔法の授業もゲーム故に一回出れば終了であり、魔法学園生活の体験としては物足りない部分もある。 単独でゲーム化もされているクィディッチは「負傷者が出た」という理由で中止されており、残念ながらプレイすることはできない。 これについては発売前からアナウンスされており、マップには原作由来の競技場や箒に乗ってちょっとしたミニゲームも楽しめることから何らかの事情で収録を断念したのではないかと推測されている。 やや善プレイが不遇 「許されざる呪文」など悪プレイの場合闇の呪文が多いが、善プレイではそれを補える強力な呪文は少ない。 ゲーム上は使ったからといって特にペナルティもないので、一種の縛りプレイとなる。 一部面倒くさい部分 アロホモラの鍵解除は少々コツのいる解除方法で面倒くさい。しかもフィールドに散らばる無数の箱を開けてプレイ時間の増加に繋がる。 クエストの連続呪文の練習はやや入力時間制限が厳しくなっている。 上記2つは最低難易度の「ストーリー」に変更することでスキップできるようになったが、毎回難易度を変更するのも面倒。 総評 オリジナルながら原作を壊さない王道ストーリーと、ファンなら一度は夢見るであろう魔法界での冒険を楽しめる。 問題点はあるものの歯ごたえのある戦闘や謎解きなど純粋なゲームとしての出来も充分以上。 原作未読の人も原作ファンも十二分に楽しめるだろう。 余談 本作発売と前後して『ハリー・ポッター』シリーズと(ネット上の)薩摩藩ネタが融合を果たした「薩摩ホグワーツ」なる概念が生まれ、ネットミームとなった。 その派生で「ホグワーツ薩摩藩寮」などのネタも発生し、組分け帽子の吹き替えを担当した佐藤せつじ氏も乗っかるという珍事が発生した。 そしてその半年後。佐藤氏は『アーマード・コアVI ファイアーズ オブ ルビコン』にてG1 ミシガン役として出演したことで、両者が融合した薩摩藩行きを宣告するミシガンというさらなるネタが誕生することになる。 『ハリー・ポッター』原作者J・K・ローリング氏のトランスジェンダーへの批判的な発言に端を発した論争が当作にも飛び火。これに関連し、当作をボイコットする活動も一部に存在した(*8)。 発売後、「WIRED」に掲載されたゲームレビューでは、原作者と開発陣の悪口をひたすら書き連ね、肝心のゲーム内容についてはほとんど触れないという、本末転倒なレビューが掲載された。 RTAイベント『Games Done Quick』は当作を含む『ハリー・ポッター』関連ゲームのRTAを禁止したが、原作者の発言や論争を受けた対応と見られている。 実は、本作にはトランスジェンダーと思われるキャラクター(ライアン)が序盤から登場する。ライアンを担当する声優もトランス女性で、ライアンは『ハリー・ポッター』フランチャイズ全体でも史上初のトランスジェンダーの登場人物である。原作者は本ゲームに関わっていないとされるが、これもその証なのかもしれない。 本作は買い切り型のAAAタイトルとして世界中で大ヒットしたのだが、発売元のワーナーにとっては不満があったようで、今後はライブサービス型のモバイルゲームに力を入れると明言している(参照)。 その後の展開 当初の予定ではPS4/One版も発売予定だったが、延期を重ね最終的に約3か月遅れとなる2023年5月3日に発売された。 その後、2023年11月14日にはSwitch版も発売された。 移植担当を行ったShiver Entertainment, Inc.はその後2024年5月21に任天堂が全株種を取得し、以後任天堂の完全子会社となった。 健全なファミリー向けとしてのイメージで定着している任天堂が、CERO C(15歳以上対象)以上の作品などを手掛けるアメリカのソフトウェア会社を子会社化するのは非常に珍しい。 なお、任天堂グループに入ってもSwitchを始めとした複数のプラットフォーム向けに移植及び開発業務を行う方針の模様。
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ライフオブフライ 【らいふおぶふらい】 ジャンル アドベンチャー XBOXよりニンテンドーeshopより 対応機種 Xbox OneNintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売・開発元 EpiXR Games 発売日 【One】2021年1月14日【Switch】2021年3月4日 定価(税込) 【One】1,750円【Switch】1,599円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1個 レーティング IARC 7歳以上 判定 クソゲー ポイント ハエの進行方向を変えるだけのゲームADVゲームを日本で発売にもかかわらず日本語非対応 概要 システム 問題点 評価点 総評 余談 その後の展開 概要 プレイヤーは一匹の光るハエとなって、3Dで描かれる12の建物の内部を転々とすることになる。 それぞれの建物では個別の小話(英語)がリスニング形式で展開される。海外のみPlayStation4でも配信された。 システム ハエの挙動 建物の中を浮遊しゆっくりと前進しつづける。プレイヤーはハエの進行方向を変える操作のみ可能。 ボタンを押すことでハエがきりもみ飛行するが、特に意味はない。加速減速の操作は実質不可能。 カメラアングルは、常にハエの後ろから3人称視点で追従するような形となる。プレイヤーが自由に向きを変えることは出来ない。 光の輪 ハエが飛び回る建物内部に浮かぶ輪。ひとつくぐると付近に次の光の輪が現れる仕組み。 光の輪をくぐるたびに、英語でハエにまつわる小話が少しずつ述べられる。 ハエが壁や障害物に衝突すると少し前の場所からやり直しとなる。ゲームオーバーとはならず、それまでにくぐった光の輪の数がリセットされるようなこともない。 セーブはチャプターをクリアした際に自動でされる。最初はチャプター1しかプレイできないが、クリアに応じてチャプター12までできるようになる。 1つのチャプターにて指定される数の光の輪をすべてくぐりぬけないとセーブされない。中断するとチャプターの最初からやり直し。 問題点 やれることが少なすぎる システムの繰り返しになるが、ハエは勝手に進むので、プレイヤーはハエの進行方向を変える操作しかできない。加速・減速はできずカメラアングルすら直接変えられない。 チャプターが変わるごとに、ハエが飛び回ることになる建物の外観はガラリと変わるが、ゲーム中の変化といえばそれくらい。 ボリュームも不足している。1時間程度あれば完全クリア可能。一貫して光の輪をくぐるだけのゲームであり、やりこみ・周回要素が皆無。強いてゲーム性をあげるとすれば、光の輪がどこにあるか探せるかどうか、といったところ。 光の輪は白色系統の色をしているので、攻略しているマップが明るいとやたら見つけづらい。 日本語非対応 ただただハエが飛ぶ姿を眺めながら、英語のリスニングをするゲームとなっている。日本でパブリッシングするにあたって、最低でも英語の字幕(欲を言えば日本語字幕)ぐらい用意してもよかったのではないだろうか。 このゲームの本来の価値は、ハエを操作するのではなく哲学的な「12 short stories」を体験できることであるはずなのだが、なぜかこれらが日本語非対応。 なお日本語版のソフト紹介用ページでは「short stories」を短編小説と訳しているが、小説と呼べるほどのボリュームではない。 話者の発話は聞き取れないレベルではないが、英語のリスニングができない人からすればやはりプレイする意義に乏しい。 英語のshort storiesはリピートで聞きなおすことができない。当然のようにバックログ等もないので、聞き逃した部分をもう一度聞きたい場合はゲームをやり直す必要がある。 3D酔いしやすい ハエを急旋回させたりすると、カメラアングルも無理に変化することが原因とみられる。 ロードが長い 1ステージ読み込むのに10秒弱暗転してロード、ハエが動き出せるようになるまで5秒ほどフリーズする時間がある。 光の輪の場所を目視以外で確認できない 輪を潜り抜けるとたいてい次の輪も近くに出てくるのだが、この次の輪を見つけられないとゲーム進行が無駄に停滞しやすい。 マップも無駄に広いことが多い。端から端まで移動するのに10分近くかかる場合もあるので、輪をくぐった場所から無闇に離れるのは危険。 評価点 ステージの作りこみ ハエ目線でプレイすることになるので、攻略することになるステージ自体はかなり広い。人間が住んでいるであろう部屋を高いところから見下ろしたり、箪笥の裏に入り込んだりも出来る。 現実にありそうな風景が出来上がっている。日本の学校の美術室やラーメン屋台も出てくるが、日本人から見ても違和感は特に無い。 観葉植物のツルや、椅子の細い足にも障害物としての当たり判定がある。椅子の足が密集しているようなところだと、すれすれで障害物を回避して飛行する楽しみは見出せる…かもしれない。 ストーリーの内容 英語のストーリー自体に聞き応えがないわけではない。 小さくはかない動物である「ハエ」に生まれたら一体どんな感じなのだろうかといった疑問からストーリーが始まり、人生でとるべき選択についてといった難しい話に発展していく。 あくまで、英語のリスニングができないとほぼ内容を理解できないこと、日本での発売にあたって日本語話者のプレイヤーへの配慮が一切なされていないことが問題なのである。 ハエはデフォルメされたデザインなので、虫が苦手な人でも安心してプレイ出来る。 総評 日本でのパブリッシングの仕方に問題があったゲーム。本作の最大の特徴は哲学的な小話であるはずなのだが、日本に展開したにもかかわらず小話が和訳されなかったため、ゲーム部分が薄く非常に単調なだけの作品となってしまった。 余談 SteamやSwitchのソフト紹介ページでは一応日本語で本作について紹介・宣伝されているが、既にそこから日本語がたどたどしい。 同メーカーより、似たようなシステムの『ザフライーングトラベラージャーニービヨンドタイム』が発売されている(シリーズとしては本作の方が後)。評価点も問題点も、続編のタイトルがカタカナの長文であることもほぼ同様。 その後の展開 2021年6月10日に『ライフオブフライアナザーデー』がSwitchで、11日に『Life of Fly 2』がOne/Win(Steam)向けにそれぞれDL販売された。 内容はどちらも同一で、本作の続編に当たる。こちらも日本語には対応していない。
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ベースボール 【べーすぼーる】 ジャンル スポーツ 対応機種 ゲームボーイ 発売元 任天堂 開発元 任天堂インテリジェントシステムズ 発売日 1989年4月21日 定価 2,500円 プレイ人数 1~2人 レーティング CERO A(全年齢対象)※バーチャルコンソール版より付与 配信 【3DS】バーチャルコンソール 2011年6月7日/315円(税込) 判定 なし ポイント 『ファミスタ』ライクのシンプルな野球ゲーム趣が違うJPNモード・USAモードの2モードを楽しめる全体としては薄味かつ大味 概要 ゲーム内容 試合中の操作・仕様 評価点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 ゲームボーイ本体と同時発売された、いわゆるローンチタイトルの野球ゲーム。 スポーツをそのままタイトル名に据えた無印系のタイトルでファミコン草創期の『ベースボール』(以下、FC版)同様ローンチらしいタイトルである。 いかにも無印系らしくシンプルな野球ゲームではあるがさすがに5年半経過していることもあり、ゲーム中のBGMがなく選手に特徴が全くなかったFC版と異なり全体的なゲーム性は『ファミスタ』の影響が色濃く表れている。 ゲーム内容 先攻チームのW-BEARS(ホワイト・ベアーズ)・後攻チームのR-EAGLES(レッド・イーグルス)のいずれかを選び、選択しなかったチームを相手として試合を行う。 ゲームモードはJPNモード・USAモードの2種類が存在し、選手データや画面表示、BGMなどが異なる。 JPNモードではW-BEARSの選手が「IGAWA(江川卓)」「KANE(金田正一)」「CHO(長嶋茂雄)」「BUCHI(田淵幸一)」といった往年のセントラルリーグの名選手のもじり、R-EAGLESの選手が「TONBI(東尾修)」「YAMA(山田久志)」「FUKU(福本豊)」「HARIO(張本勲)」といった往年のパシフィックリーグの名選手のもじりとなる。USAモードではW-BEARSに「MARIO」、R-EAGLESに「LUIGI」という投手が登場する。 グラフィック上は他の選手と変わらないので同名の別人という可能性もあるが、海外版のパッケージではちゃんとあのマリオが投手として描かれていたりする。 各選手には打席の左右に加え、打率、打撃(ヒットの出やすさ)、器用さ(バントの巧さ)が設定されている。投手はタイプ(利き手+投球フォーム)、スタミナ、球速、変化(球の曲げやすさ)が存在し、投手の打者能力は一律「打席の左右は利き手と同じで、打率.150、打撃E、器用さA」で固定されている。走力の概念があるのかは不明。 試合中の操作・仕様 投手の操作はFC版を踏襲し、十字ボタン左右とAボタンで投球位置を指定、十字ボタン上下で球速を指定し、もう一度Aボタンで投球する。投球後ミットに収まるまでに十字ボタン左右で変化をかけられる。上に入力すると見切られやすいがよく曲がるスローボール、下に入力すると見切られにくいが曲がりにくい速球となる。 打者は『ファミスタ』とほぼ同じ形式で、ボックス内を十字ボタンで前後左右に自由に移動でき、Aボタンでスイング、そのスイングを途中で止めるとバントができる。 守備・走塁操作はセミオート式で、打撃後インプレーに移った際の初動はCPUが自動で行ってくれるが、プレイヤーによる操作はいつでも自由に可能。守備側の捕球後の動作はプレイヤー操作しか受け付けない。 基本的にフライはCPU任せでアウトにできるが、ライナーやゴロは追いつけないことが多い。その場合は初動の方向に沿って十字ボタンを入力すると追いつきやすい。 送球スピード(肩)は投手・捕手・内野手は速く、外野手は遅い傾向にある。その反面、外野手はフェンス際など内野から遠く離れた位置から返球(遠投)した場合、内野手と遜色なく鋭い送球となる。 打者走者をアウトにしてランナーがいない状況でも守備陣同士で延々とキャッチボールができる。 牽制・盗塁・塁指定タッチももちろん可能。 投球前にスタートボタンでタイムをかけ、もう一度スタートボタンを押すと守備側はリリーフの選択、攻撃側は代打の選択が行える。 DHなし・10点差コールド有り。 試合が終了するとスコアボードが表示され、勝利した場合はベンチ前で監督(?)の胴上げが行われる。敗北した場合は選手が一列になってベンチの向こうの観客に頭を下げるが、観客から延々と空き缶をぶつけられるというあんまりな仕打ちを受ける。 評価点 後述するように雑な点は多々見られるものの、携帯機でありながら当時の野球ゲームとしての水準は満たしている。 BGMの追加や守備・走塁のセミオート化など、FC版で見られた問題点は解決されている。 選手能力の傾向はもちろん、BGMや画面表示にまで徹底的に拘ったJPN・USA各モードの趣の違い。 JPNモードであれば球速はキロ表記でカウントはSBO方式(*1)、BGMは「ダッシュKEIO」(『ファミスタ』でもお馴染みの曲)を始めとした応援歌風の曲調。USAモードであれば球速はマイル表記でBSO方式、BGMはポップ調となる。ゲーム性は同じではあるものの、いずれも全く違った雰囲気を味わえる。 問題点 ハード草創期ゆえ致し方ない面もあるが、ボリュームそのものは薄味。 JPNモード・USAモードとも各2チームしかないので、実質4チームしか使用できない。対戦相手も選択したチームに応じて完全固定の1チームのみで、選手の顔ぶれも投手陣や代打くらいしか変わらない。リーグ戦なども存在せず、1試合終えればタイトルに戻される。 日米ともにチーム名が全く同じであることや、先攻・後攻が固定されていることも、変わり映えのなさに拍車をかけている。その程度のことならデータやパレットの入れ替えで実現可能に思えるのだが…。 細かなことではあるが、先攻側が白基調のユニフォームで、後攻側が色付きのユニフォームを着ているという点は実際のプロ野球の慣例に反している(*2)。FC版や『ファミスタ』でも同様のケースはあるが、同作の登場チームは実在球団がモチーフであり、「全てホームユニフォーム仕様にすると色が被る球団がある」という事情が察せられるのに対し、架空の球団かつ先攻・後攻が固定されている本作では敢えて慣例に背く理由が分からない。 走塁時のCPU操作の精度があまりよろしくない。 フライを打った場合、ポテンヒットになりそうな当たりでもランナーは元の塁にベッタリくっついたままなので、プレイヤー自ら打球判断に合わせてランナーを動かさなければ外野ゴロも有り得る。野球のルールに不慣れなプレイヤーにはキツイ。 これは相手CPUにもそのまま当てはまり、「外野へのポテンヒットを処理して先頭ランナーの進塁先を狙ったら悠々アウトにできた」という事態が続くのは少々興醒めである。 コマ送りを極力使わず滑らかさを意識しているせいか、インプレー時はスピード感に欠ける。特に守備側の挙動が非常に重々しく、鋭い当たりでフェンスに直撃した打球の処理となると、画面の動きが追いつかずボールと野手の位置が把握できないことも相まってかなりの苦行となる。 ダイビングキャッチ・ジャンピングキャッチも存在しないため、内野手の真横へのゴロも追いつけないことがしばしばある。 『ファミスタ』でも見られた相手CPUのお粗末守備。 基本的に先頭ランナーに執着しており、1・3塁時の二盗フリーパスはもちろんのこと、内野ゴロを打っても3塁ランナーがホームへと動いていればそちらを優先する、後続のランナーがベースを離れていても咎めようとしないといったチョンボを平然とやらかし続ける。 3つ目の例に関して言えば、ボールを持った内野手の塁に近づいた場合なら塁指定タッチをしかけてくるのだが、それも所謂ランナー詰まりが発生するレベルで急接近したときに限られる。 打球方向のパターンが少なく、「バックスクリーン方向に1°の誤差もなく真っ直ぐに飛んでいく」「ファウルラインスレスレだが必ずフェアゾーンに落ちる」といった打球を何度も目にすることになり、不自然な印象を受ける。 総評 ゲームボーイの少ない容量の中で日米の野球の雰囲気の違いを見事に表現しているが、やり込めばやり込むほど奥の浅さや雑な作りが浮き彫りになる。 とはいえ、当時とほぼ同水準の野球ゲームを携帯機で手軽に楽しめることは間違いなく、ローンチタイトルとしては良好なセールスを記録した。 その後の展開 ファミコン草創期同様に任天堂はゲームボーイでも同年5月に『テニス』、11月に『ゴルフ』と無印系のスポーツゲームを発売する。他に同等のタイトルでスポーツ以外では1990年11月発売の『F1レース』がある。 いずれもFC同様に草創期らしい無印なタイトルだが、どのFC版ともまったく別物で5年以上の時を隔てていることもあり進化したものになっている。 また、ゲームボーイにおけるこのような無印系タイトルのゲームは他にポニーキャニオンが『将棋』、トンキンハウスが『ボクシング』『サッカー』などを発売している。 2024年5月15日より、『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』収録ソフトの一つとして本作が配信開始。 余談 正式なマリオシリーズの野球ゲームとしては『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』、さらに続編の『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』、関連作の『マリオスポーツ スーパースターズ』が発売されている。 草野球方式であるためポジションは固定されておらず、マリオとルイージを投手以外のポジションに就かせることも可能。むしろ、両者ともに同シリーズではやや野手向きの性能となっている。 なお、同シリーズにおいてマリオは本作と同じ右投右打、ルイージは本作と違い右投左打だが、『ミラクル』でのみ投打の左右を自由に変更できるため、本作同様の右打に設定することもできる。 『スーパースターズ』では守備の操作設定をマニュアルにしても打球をある程度自動で追ってくれるという、本作に似た仕様が存在する。 FC版含めFCの無印系スポーツゲームは基本系にタイトル画面が「スポーツ行進曲」(例外は『ゴルフ』『サッカー』『アイスホッケー』)のアレンジだったが、それは本作でも使われておりプレイボール時に流れる。 ただしFCの同系ゲームの流用ではなく本作独自のアレンジとなっている。 因みにFCのシリーズではほぼ共通だったがゲームボーイでは本作のみ(*3)。 イニング表示が表なら「T」裏なら「B」となっている。例・3回表の場合→「3ING/T」 これはそれぞれの英訳した頭文字。表→Table 裏→Back 1983年のFC版でも「〇回オモテ」「〇回ウラ」表記なので、このような表記は他に例がない。 本作発売時点では、「ベアーズ」と「イーグルス」の名を持つプロ野球球団としてはKBO(韓国リーグ)に「OBベアーズ(現:斗山ベアーズ)」と「ピングレ・イーグルス(現:ハンファ・イーグルス)」が存在していた。日本球界においては「かつてオリックスの前身の阪急が4ヶ月だけベアーズを名乗っていた」「後楽園球場を本拠地とするイーグルス(大和軍、黒鷲軍とも)が存在していた」という事例はあったものの、いずれも第二次世界大戦前後(後者は戦前に解散)という遥か昔の出来事であった。一方で、当時の日本のフィクション作品では「イーグルス」「ベアーズ」はいずれも架空の野球チームで多用されていた名前でもあった。 少し前になるが『熱血あばれはっちゃく』(*4)の38話(1983年1月8日放送)「燃えろ!グランド㋪作戦」では「京浜ベアーズ」というチーム名が登場している。 OVA「勝利投手(1987年)」では実在の巨人軍の名前が「東京イーグルス」と変名されていた(*5)。 アニメ「キテレツ大百科(*6)」で主人公キテレツ、コロ助の友達、ブタゴリラの一家が応援していた鈴木という選手が所属する球団が「イーグルス」であった。 更にその301話(1995年7月2日放送)「八百八崩壊?コスプレナイター中継!」における「イーグルス」の対戦相手が「ベアーズ」であった(因みにこの試合はイーグルスが勝った)。 その後、本作発売から15年を経た2004年オフ、オリックスと近鉄の球団合併を受け5球団となったパリーグに楽天が参入し、チーム名をイーグルス(*7)と定めたことにより、 日本球界に文字通りのR-EAGLESが誕生することとなった 。 奇しくもパリーグ所属である点もJPNモードでの選手構成と合致する。また、本作のR-EAGLESのRは「レッド」を指すが、楽天も同様に赤(クリムゾンレッド)をチームカラーとしている。あのレイルウェイズと肩を並べてもおかしくない予言ぶりであろう。 日本版のパッケージイラストでは赤・黒基調のユニフォームを着たR-EAGLESの選手が描かれているが、楽天も2017年にこれに酷似した特別ユニフォームを採用している(*8)(実際のモデルはアリゾナ・ダイヤモンドバックスだが)。 本作の前年に発売された『プロ野球?殺人事件!』でも、江川卓をモデルとした「いがわ」というキャラクターが主人公として登場する。 『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)の「1989年度ファミマガゲーム大賞」(*9)では30点満点中15.88点と低評価でゲームボーイ部門のワーストとなってしまった。任天堂ソフトが最下位を記録した例は後にも先にもない。 言うまでもなく本作そのものは突出して良い点こそないものの、バグやゲームバランスのひどさといった致命的欠点もないので凡ゲーではあってもクソゲーなどではない。ただ当時の野球ゲームの花形は日本プロ野球の変則コピーでその路線からは外れているので、それによる不評はありえそうな話である。 またワースト2位は『アレイウェイ』(16.80点)ワースト3位は『|役満』(18.26点)とワースト3をローンチが独占する不名誉な結果となった(『スーパーマリオランド』のみ4位)。 この1年はゲームボーイ草創期ということもあってか名作もクソゲーも少なく、平凡なゲームが大多数を占めたため、その中でも発売が最も早かったこの3本が記憶にも残らず低い評価をされてしまったのは不運としか言いようがない(*10)。 なお発売が11月28日とこの企画の直前に発売された『ゴルフ』は無印なタイトルが示す通り特に目立った要素のない地味な凡ゲーながらゲームボーイ部門2位と異常なほど高評価だった(ただし22.86点とさほど評価は高くなく1位の『対戦型テトリス』(25.02点)には大きく水を開けられている)。
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ガルフォース ETERNAL STORY 【がるふぉーす えたーなるすとーりー】 ジャンル シューティング 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売・開発元 ハル研究所 発売日()は書換開始日 1986年11月20日(1987年1月10日) 定価 3,300円 プレイ人数 1人 判定 良作 ポイント 撃って破壊する数では当時のシューティングの中でもトップクラス自由に多彩な変形スコアアタック要素で弱い 概要 内容 評価点 問題点 総評 余談 概要 1986年11月にHAL研究所が発売したファミコンディスクカードのシューティングゲーム。 これまで『ゴルフ』や『マッハライダー』など任天堂発売ソフトの開発を手掛けてきたHAL研究所が、自社ブランドとして発売したファミコンソフト第1号である。 同年7月発売された同名タイトルのOVA作品とのタイアップであり、MSX版『ガルフォース カオスの攻防』も同時発売されている(*1)。 パッケージでのタイトルは上記の通りだが、文献などでは『ガルフォース』のみの表記が圧倒的に多い。 内容 作戦指令(ストーリー) さて、諸君らに指令を伝える。6つのブロッサムスペースに捕らえられている6人のクルーを助け、合流し、彼女たちの力を借りてスターリーフの基本兵器を増やし、7つ目のカオススペースに存在するパラノイド大要塞を破壊するのが今回の指令である。各地には我々のスパイがパワーロータパネルを持って待機している。では成功を祈る。 システム 攻撃のビーム発射をAボタン、操作は方向十字ボタンとここまでは一般的なシューティングゲームそのもの。 本作の独特のシステムとしてセレクトでクルーを選択し、Bボタンでクルー毎に決められたウイングに変形し、それぞれ固有の攻撃が行えるようになる。 自機「スターリーフ」は「左ウイング」「本体」「右ウイング」3つの部位で構成されている。 まずダメージはウイングに蓄積され、耐久力がなくなるとウイングが片方ずつ失われる。 両方のウイングを失った状態で被弾するとミスとなり1機失うことになる。 あと一発被弾するとウイングが失われる状態では、対象のウイング周辺に爆発のエフェクトが出る。 ウイングを失うとルフィ、パティ、エルザで戦っている場合(後述)、失った方からビームが出なくなるため攻撃に支障をきたすようになる。 最初はプラネットステージ(地上)から始まり、カタパルトを介して進む6つのスペースステージ(宇宙)がセットの構成になっている。 プラネットステージの最後にはカタパルトがあり、そのカタパルトにある赤い矢印が並んでいる数が、行先のスペースステージに対応している。 スペースステージをクリアーすると捕らわれているクルーを救出できる。 救出したクルーの能力を使うことで様々な新しいビームや特殊なアイテムを使えるようになる。 既にクリアーしたスペースステージに行くこともできるがクリアーしても、もう対象のクルーは救出しているので何の意味もない(スコア稼ぎのみ)。 スペースステージのボスとのバトルでやられるとプラネットステージに戻される。 プラネットステージでカタパルトに乗ったりスペースステージをクリアすれば、ウイングがどんなに破損していても本体さえ残っていれば再び両方のウイングが戻ったバッチリな状態から始まる。 アイテム レベルアップ(Aの上に↑) ウイングをはじめとした攻撃効果を上げる(ウイングが全くない状態でも)。 フルパワー(Aの周囲に放射線) 一定時間「ワイルドブラスター」のフルパワー状態になる(ルフィがいなくても有効時間内は使うことができウイングが欠落していてもこれで左右とも復活できる)。 スピードアップ(Aの後ろに加速線) スターリーフの移動速度が速くなる。 オールクラッシュ(☆) 画面上の敵を全滅させる。 バリア(○で囲んだA) 一定時間無敵になる。 ワンアップ(1UP) スターリーフの残機が1機増える。 スロー(時計) 敵の動きが一時的に遅くなる。 ブロン-Dアップ(ブロンディ) ブロンディを同時に出せる数が上がる。(最初は1のみだが最大3まで) クルーは最初はラビィのみ。以下救出するクルーとその能力。 クルーの詳細 ラビィが基本スタイルで他の6人の持っているウイングを使うことでビームのパターンなどが変わる。 ラビィ スタンダードな直線的なビームだが連射力が強い。 パワーアップを取得することで連射数が上がり、最初は2連射だが→3連射→4連射→6連射→8連射と増していく。 ポニィ ブロンディと呼び出すことができる。 彼女のみ、パワーアップが関係なくブロン-Dアップを取ることで同時に使えるブロンディの数を最大3まで上げることができる。 パティ サイドへの強力なビーム攻撃。 パワーアップを取得することで同時発射本数が増え、最初は1本だが→2本→3本→4本→5本と増していく。 ルフィ 前方に広範囲ビーム「ワイルドブラスター」。 パワーアップを取得することで同時発射本数が増え、最初は1本だが→2本→3本→4本→5本と増していく。 エルザ 後方へのバックファイヤー。ルフィの後方発射版である。 パワーアップを取得することで同時発射本数が増え、最初は1本だが→2本→3本→4本→5本と増していく。 ラミィ 360°へ放射状にバラまくような攻撃。 パワーアップを取得することで同時発射数が増え、最初は3発だが→4発→5発→6発→8発と増していく。 キャティ バリアを強化しダメージが軽減。ラビィパワーアップ4段階目(準最強)からラディのブラスターが貫通するようになる。 パワーアップを取得することで防御力(ウイングの耐久性)が増し、最初は通常の2倍だが→3倍→4倍→5倍→6倍と増していく。 評価点 シューティングの醍醐味、撃ちまくって破壊しまくる爽快感。 特にスペースステージでは地上物が非常に多く、連射しまくってガンガン破壊していく爽快感はトップクラス。 当時のシューティングはステージクリア以上に連射でハイスコアを狙っていく傾向にあったので、連射による破壊とスコアアップの連動と言う意味では文句なし。 更にアイテムも地上物を撃って破壊するほど出現し、また地上の敵キャラでないものでも撃って出てくることもある。 破壊音も非常に響きが良く、爽快感を高めてくれる。 ウイングの変形を駆使して多彩で変幻自在な攻撃ができる。 当時はパワーアップはできても、それを自由に選択は出来た例は少なく、ステージ毎の敵の出現パターンと相性の良いウイングパターンを見つけ出すことで、より一層高い爽快感を得ることができる。 この辺りはただ撃って撃って撃ちまくるスタイルだった当時のシューティングとは一線を隔している。 自機のタフさ。 敵にもよるが左右のウイングは大抵の敵の体当りには何発か耐えられる。 当時のシューティングはバリア等、装備がなければ一発の被弾で即ミスだったことを思うと、かなり心強い。 後述の通り、ステージが後半になるとかなりキツくなりすぎる難点もあるとはいえ、このタフさがなければそもそも成り立たない。 タイトルデモにおけるキャラグラの美しさ。 当時は元より現在の視点から見ても登場キャラのグラフィックが描き込まれており、原作キャラの魅力が存分に伝わるほどの出来。 スターリーフの変形アクションが、細かい所で作り込まれている。 問題点 ボスのみならずザコ敵まで結構タフで、連射パッドなしでは結構きついところがある。 最初のステージでは大したことはないが、中盤以降でやられてレベルが最低に戻ると連射パッドなしでは、そのまま押せ押せでやられやすい。 宇宙面の地上物が厄介で、ぎっしりと敷き詰められるように配置されているため、ショットが阻まれて敵を倒しにくいのもきつい。パワーアップするとショットが貫通するようになるので楽になるが、後述するパワーアップの問題がある。 パワーアップの不親切さ。 パワーアップアイテムは特定の地上物や地形を撃つことで出現するのだが、ありかが一目でわかるように差別化されていないため、何がどこにあるかを覚える必要がある(『キングスナイト』と同様)。 宇宙面では面が進むごとにアイテムの配置が少なくなっていくため、後半面では一度ミスすると、初期段階に戻されたままパワーアップできずにまたミスするという悪循環に陥りやすい。 自機の大きさ 自機のグラフィックは良いのだが、サイズが大きく当たり判定も見たままなので、スピードアップしないと攻撃を避けづらい。 ライフ制なので1発でやられる事はないが、ライフ表示がない事と、体当たり1発でパーツが破壊される敵もおり、難易度の上昇に拍車をかけている。 ゲーム中は上記のキャラグラが残念な表示。 こればかりは、さすがに上記のようなグラをゲーム本編で出せと言うのは無理筋なので仕方ないと言えば仕方ないが、まるでアイコンのような顔であり、最初からいるラビィ以外は誰がだれだかわからないほど。一応、救出時に名前が表示されるが英語表記なのでわかりにくい。 MSX版でも救出したクルーのアイコンは簡素ではあるものの、クルー救出時にはアニメーション付きの再現度の高いポートレートが表示されるためこの点ではFCD版のほうが見劣りする。 しかも、そのゲーム中のアイコン顔が誰なのかは説明書にすら載っていない(説明書でも原画のみ)。 タイトルデモの出来が秀逸なため、その反動でセコく見えてしまう。 ボスよりもザコが強く感じる逆転現象に見える部分もある。 特にスペースステージも4以降になると、見えづらい上に数が多く、そんなのにガンガン突っ込んでこられてやられることも多々ある。 反面ボスは黒一色の宇宙空間で他に阻害するものもないので攻撃を察知しやすいため戦いやすく感じられる。 クリア後にループプレイがなく、この頃のシューティングにしては完全なステージクリアのスタイルでハイスコアを目指すには不向き。 実際、シューティングの醍醐味の1つであるボーナス要素が少ないのは物足りなく感じられる。 ハイスコアを目指すだけならばスペースステージ反復すればいいのだが、そのような形でスコアを稼ぐのは明らかに本来のスタイルではない。 それでいてアニメのストーリー性などを感じない点は少々物足りなく感じられるかも。 BGMの出来そのものは悪くはないが最初から最後まで1つしかない。 総評 難易度に関しては高めな部類に入るものの、シューティングゲーム特有の撃って破壊する爽快感に関しては非常に高く同年のシューティング代表作『スターソルジャー』(ハドソン)『ツインビー』(コナミ)などと比べても決して見劣りしない。 BGMが乏しかったりアニメのゲーム化作品ながらストーリー性を感じにくかったりする点は気にはなるものの、当時のシューティングゲームとしてのユーザーのツボはしっかり押さえておりゲーム部分の完成度は目を見張るものがある。 これまで任天堂作品の開発を手掛けてきたハル研究所の自社ブランド発売第1号として恥ずかしくない出来。 余談 本作はCMが制作されたが以後はハル研究所発売の作品はCMが制作されなかった(*2)。 以後の作品もゲーム自体の出来は秀逸なものが多かったものの、CMがなかったことが災いしてソフト売上げはいずれも低くとどまったことが惜しまれる作品が多い。 + CM アイテムでやたら「A」の形が目につくが、これはスターリーフの形を簡略化しているものと思われる。 エンディングの最後に"SEE YOU AGAIN IN THE NEXT GAME,AIR BUSTER,."と表示されるが恐らく1987年8月に発売された『エアー・フォートレス』と思われる。(*3) 『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』の生みの親で知られる桜井政博氏は、今作がきっかけでHAL研究所に入社した。 決め手となったのはスタッフロール。 この時期のファミコンソフトはプレイヤーを称えるだけの簡易なエンディングが少なくなかったのだが、今作は劇場映画よろしく「カットシーンを一つ一つ出しながらスタッフ名を併記する」という、当時としては力の入った演出が施されていた。(参考リンク エンディング動画) これを見た桜井氏は「スタッフが本当にゲームが好きで、エンディングまでしっかり見てくれるプレイヤーを信じている証拠だ」と感銘を受け、HAL研究所の志望に至ったという。 ソース 『若ゲのいたり』(KADOKAWA刊)第6話より。 こうした経緯もあってか、桜井氏が手がけるゲームではスタッフロール中にミニゲームを盛り込むなど、力の入ったエンディングが多い。